英国の庭から~海外生活ブログです

欧州調査歴25年以上のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

BBCガーデナーズワールド(2019年第15回)

夏至の週に放映されたBBCガーデナーズワールドの第15回(2019年6月21日放映)について報告します。この回は、春以降、立て続けに開かれていたガーデンショーもあと少しを残す時期となり、夏の庭仕事に話題が移りつつあります。しかし、これが夏の真っ盛り…のはずですが、この6月は雨が多くて、まだ気温はせいぜい20度どまりです。ジューンブライドになろうとしたお嫁さんたちはちょっとかわいそうです。

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今週の庭仕事

徒長した宿根草に支えをする

このところ、雨が多く、宿根草の丈がどんどん高くなっていき、通路をふさいでしまったりしていますが、さりげなく支えをすることを勧めていました。支えは鉄製だったり、木製でいいのですが、なるべく自然な感じが良いとのこと。ちなみに下の写真の支えはモンティが自分で数年前に樫の木材で作ったそうです。おしゃれですね。

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スイートコーンの本植え

育てていたスイートコーンの苗を本植えにします。格子状の野菜用花壇の中に植え付けました。この時期に本植えするのは、気温も上がって、良く育つ時期だからです。また、格子状に仕切られた花壇は密度濃く植えつけることができます。コーンがなるためには受粉が必要で、花粉は風によって運ばれますが、密度の高い場所で植えることによって、受粉し易いということのようです。

コーンを収穫するときは、先にお湯をぐらぐらに沸かしておいて、収穫したらすぐに10分ほど茹でて食べること。スイートコーンの甘みが味わえます。 

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野菜の植え付けと収穫

新しいレタスを植え付けたり、育った分を収穫します。

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また、ソラマメを熟しきらないうちに早めに収穫します。生でも食べられるくらい柔らかくおいしいからです。マメの花もきれいですね。

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ゲラニウムの剪定と植え替え

6月に勢いよく咲いたゲラニウム(宿根ゼラニューム)は、根元から刈り込む時期です。これにより、もう1回、咲かせることができます。モンティはGeranium phaeumGeranium phaeumのDuski cranesbill(左下)を右下の写真、徹底的に刈り込みました。

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さらに、その一部を掘り起こして、別の場所に移動し、新たにGeranium Ann FolkardとGeranium psilostemonのAmerican Cranesbillを植えて、植栽にさらにアクセントをつけることにしました。

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秋に向けてオレンジのビデンスを植え付け

また、数間前に植えたツルコベア (cobaea scandens)の鉢の隙間にビデンス・オレンジ・スプラッシュを植え付けました。この花は、水と肥料をやっていれば、10月頃まで咲きます。10月頃まで咲き続けるので、花が少なくなった秋に彩を加えてくれます。そろそろ、秋の庭のことを考えて植えつけていく時期なのです。

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ローズヒップを楽しむバラ

下の写真は、モンティの庭で今の時期、見事に咲いている深紅のバラ「ゼラニウム」です。1年に1週間しか咲きませんが、それだけに見事な景色です。また、このバラ、赤いかわいいローズヒップ(実)を長期間にわたって付けるので、それが見どころだそうです。 

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唐辛子とメロンの温室栽培

モンティは温室の中で、比較的小さめの素焼き鉢で唐辛子(チリ)を栽培しています。小さめの素焼き鉢にする理由は、素焼き鉢は水はけが良いこと、もうひとつは、やや小さめの鉢にすることで、少しだけストレスを植物に与えることができることです。ストレスにより、株は小さめに育ち、実にはより濃縮された風味が加わるとのことでした。ただ辛いだけでなく、フルーティで味わいが加わるとのことです。また、唐辛子はできれば夕方四時より早く、なるべく朝の内に水やりを済ませる方が良いそうです。

 

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メロンもまた、温室の中で、育てています。メロンは、肥沃な土でたっぷりも水と暖かさが必要とのことです。支柱を立て、1株あたり3つぐらい収穫できれば‥と語っていました。(右の→の奥にあるのがメロン)

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蜂の巣箱の管理

モンティは3年前からの庭のはずれに2つの蜂の巣箱を置き、時々、養蜂の専門家であるガレスさんに状態をチェックしてもらっています。今回も「完璧な状態、庭の様々な種類の花を蜂たちが集めている」といったことが紹介されました。

この部分、今回の放送の目玉の1つでしたのですが、私自身が関心が持てなかったこと、養蜂の技術に関する説明があまりなかったので、この部分はスルーです。英国の養蜂テクニックにご関心がある方がいらしたら次のURLをどうぞ!

 https://www.bbka.org.uk/Pages/Category/what-we-do

 

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野生生物に優しいアロットメント

フランセス・トップヒルはオックスフォードのアロットメントを訪ねました、そこはドイツから11年前に英国に来た女性ナディーネ・ミチュナスさんが9年前からアロットメントを管理しており、野生生物の宝庫となっているのです。

ナディーネが重視するのは、野生生物の餌となるような植物を植えること。それにより昆虫、それを食べる小さい動物、さらに大きな動物がアロットメントにやってくるのです。彼女はそれを写真に収めて発表しています。英国には33万のアロットメントがあり、それが野生生物に何らかの貢献となっています。 

 

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彫刻がアクセントとなっている庭

シュロップシャーのシュルーズベリー住むアドボリー・リッチモンドさんの庭が紹介されました。アドボリーさんは、ランドスケープ・ガーデン、社会史の専門家です。ジンバブエで生まれて、8歳の時に英国に来ました。彼女のおば様が巨大な庭を持っていたので、庭や植物の情熱は彼女から受け継いだのかもしれないと語っていました。

アドボリーさんはかつては、自動車業界でバイヤーの仕事をしていたのですが、違和感を感じ仕事をやめ、かねがね自分が一番興味を持っていたガーデン史の講座を受講し、MBAを取得しました。その時にイタリアの庭を訪ね、特にフィレンツェのビラ・カステロの庭園(下の写真の右上に2つ)に強い印象を受けたそうです。緑の植栽と白い彫像のコントラストに魅了されました。

その結果が下の写真の庭で、池に映るように2つの彫像(アポロとダイアナ)が置いてあります。両方の彫像は、弓矢をもっていて、これはアドボリーさんのもう1つの興味の対象である社会文化史の中のアーチェリーの流行(19世紀に上流階級の趣味として人気だった)とも関連があるそうです。アポロの彫像の上にかかるように植えられているつるバラはファイルヒェンブラウです(写真右下)。

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アドボリーさんが気に入っているのはゲラニウム。以下がそのコレクションの一部です。

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アドボリーさんが、庭づくりでもうひとつこだわっているのは、色々な場所から見た異なる景色です。それぞれの景色を楽しめるよう座れる場所を用意しています。さらに、それぞれのコーナーをきっちり分けて他のコーナーと景色が混ざらないようにしています。次の写真ま14種のバラが咲き誇るコーナーだそうです。おすすめのバラはデービッド・オースチンのジェントル・ハーマイオニーです。

 

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夏向きのコンテナガーデンを作る

広大な庭なら、上記のゼラニウムのような巨大なバラも植えられますが、小さい庭の人がより多くのバラエティを楽しむならコンテナです。番組キャスターのレイチェルがコッツウォルズ風の黄色いレンガの入り口の前庭を飾るコンテナを提案しました。

この部分は番組とは別に公開されていますので、ご覧ください。(日本からも見ることができるようです)

https://www.bbc.co.uk/programmes/p07dwy8l

最初に、大鉢にデービッド・オースチンのジェントル・ハーマイオニー、ディープレッドのヒューケラ・オブシディアン、2株、手前に薄いピンクの花が咲くローダンセマムです。こちらは夏から秋の植物として植えていますが、日本だと4月頃に植えつけて、5月~梅雨までがやっとですね。

バラの鉢とドアを挟んで反対側には、アプリコット系のフォックスグローブとオレンジ系のカリブラコアを植えます。

もうひとつ、フォックスグローブの新種の「ファイアバード」とゲウムの「サヴァンナ・サンセット」、スティパ テヌイッシマを合わせます。

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コンテナには、最低1日1回の水やり、液肥を与えることが必要。用土はマルチパーパスコンポスト(腐葉土主体の土)にジョン・インズ用土を加えたものですが、ピートフリーで、かなり水持ちの良いものです。

 ジョン・インズ用土については次の記事をご覧ください。

www.aromioakleaf317.com

そうそう、そういえば、英国には鉢底網も鉢底石もありません。何しろ、水はけをあまり意識しないので。そこで、上の写真のように割れた鉢のかけらを無造作に入れて底の穴をふさぎます。先日、訪れたチャールズ皇太子の庭など、植木鉢の底に穴があいていない鉢が売られていて、あちこちに飾ってあったのですが、根腐れしないのが不思議です。 

下の写真が出来上がりの様子(猫がかわいい)。レイチェルは、あまり1つの鉢に多くの植物を盛り込まないようにしていました。また、水はけの良い状態が好きなタイム、多肉植物などは、浅い鉢を使っており、花の状態にあわせて、鉢の位置を変えることで、様々な表情が生み出せるのがコンテナガーデンの魅力と語っていました。

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ミュージシャン兼俳優の心が落ち着く庭

ジョー・スウィフトは、コンウォールにあるミュージシャン兼俳優、ウィル・ヤングの家を訪問しました。

この部分も次のURLで公開中です。

 https://www.bbc.co.uk/programmes/p07dwys3

 バークシャー出身の彼がなぜ、コーンウォールに居を構えたかというと、大学時代にコーンウォールに近いエクセター大学で政治学を学んだのだそうです。音楽や演技の道で活躍する傍ら、14年前にこの家に移り住み、趣味のガーデニングにいそしんだのだそうです。6年前には庭好きの両親も近くに移ってきたそうです。ガーデニングが好きになったのは、両親が庭好きだったことに加え、妹もプロのガーデナーになるなど、環境がそうだったことが大きいそうです。

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庭仕事を通じた喜びや楽しさを語りつつ、心の病で苦しんた過去の話が出てきました。とても具合が悪かった時期があり、より良いフレーズを求めて、不安や混乱に苦しんだこともあったそうです。しかし、彼の心の根本の部分に庭があって、地面に根差した(安定感のような)ものをもたらしてくれたと語りました、

治療の一環として、ガーデニングを行うことが医師から奨励されたこともあって、、ダリアやアイリス、スイトピー、野菜などの栽培から始めたそうです。そして、こうした何かと作っていく、忍耐強く育てていくということは、処方箋やカウンセリングよりも治療効果が高いと語りました。特に種や球根化が何かを育てることに喜びを感じているそうです。

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このビデオの後、モンティから、ウィルが自分の不安について、フランクに語ったことの意義を述べていました。そしてより多くの人が,これに勇気づけられて、自分の不安や心の病について恥ずかしがることなく、自由に話すことができるようになることを期待していると語りました。語った後は、もちろん「庭に出て癒しましょう」

 

今週の作業

 

1.花の終わったルピナスを、なるべく下の方、わき目の出ている上で剪定する。

2.ニンニクを収穫して、干す。

 フォークなどを使って掘り起こす。引き抜いてはダメ。

3.勿忘草を抜いて、種用にごく一部を残して捨てる。

 

 ゐから

今回も遅くなってすみません。私個人はコンテナガーデンのところが好きですが、番組放映後の反響をみると、ウィル・ヤングが心の病だったことを率直に話したことに注目が集まっていました。

季節を感じることができるという意味で、ガーデニングのメンタル面での効用は大きいと思います。庭がなくてもコンテナガーデンとか、あるいは散歩するとか、季節を身体で感じることには大きな意味があるように思います。ガーデナーズワールドは、毎回、園芸テクニックに加えて哲学的なことをあちこちで話していて、そういう部分が面白いと思って見ています。ではでは!