ゐです。このブログにお越しいただき、ありがとうございます。
2月中は引っ越しの準備と身辺整理でバタバタしていて、なかなか更新できませんでした。日本から戻ってあっという間に3週間が過ぎ、2月14日に英国を離れ、アムステルダムに到着しました。その間、2月7日に5年弱勤めていた職場を退職、2月12日、13日に荷物の運びだし、2月14日朝から家のインベントリーチェック(退去の際の備品チェック)を行い、その日の午後にアムステルダムに移動しました。
このように書くとあっという間で、とんとん拍子に行ったように思えるのですが、振り返ると、どれも中途半端で悔いが残っています。
特に、引っ越しについては、もう1回、オランダから日本に本帰国しなくてはいけないので、今回の問題点を記録しておこうと思います。
- 業者任せだった引っ越し
- ただ荷物を分けるだけのはずなのに
- 手荷物は早めに作っておく
- 「さしすせそ」以外の調味料は極力買わない
- 衣類は徹底的に処分が必要
- 物を売るのは容易ではない
- 書籍は電子化の途中
- 荷物の仕分けを徹底する
- Sky TVとは二度と契約しない
- 退職の挨拶も意外と大変
- ブログの今後は
業者任せだった引っ越し
日本から海外へ企業の駐在員としていく場合、企業によってまちまちですが、一定の枠内で、身の回りのかなりの荷物を船便や航空便で運ぶことができます。船便の所要時間は昔は3カ月位かかったものですが、今は2カ月弱位だと思います(これも場所によって違います)。
海外引越専門の業者さんがいて、多くはお任せパックです。業者さんが専用の箱とパッキング用の紙をもってきてくれて、壊れたり傷んだりしないよう厳重に包んで箱に入れ、トラックに積み込んでくれます。これはさらに大きなコンテナに箱を詰めかえられて、船や飛行機で赴任先に運ばれます。うちの場合は、オランダなので、陸路、ユーロトンネルを通ってトラックだそうです。
ただ荷物を分けるだけのはずなのに
英国がEUを離脱したとはいえ、移行期間中は通関検査がなく、枠内であれば、土の付いた植物以外はほぼ全てOKと言う状況でした(それでも、食器や衣類、庭道具、家財道具が多くて枠ぎりぎりだったようです)。
さて、当日は初日が3名、2日目は6名の作業員が来てくれて、梱包して、保険を掛けるためのリストまで作ってくれました。そうなると、私がすべきことは、持っていくものと残していくものを分けておく「だけ」でした。
ところが恥ずかしながらその「分けておくこと」が満足にできませんでした。引っ越しの1週間前まで働いていたので、作業ができなかったというのが大きな原因ですが、もう1つ、何となく英国を離れたくなくて、作業が億劫だったのです。これがいけなかった。
その結果、大家のものが引っ越し荷物に紛れ込んでしまったり、かさばるのに使用頻度の高いものが一式丸ごと積み残っていたりしました。
結局、積み残したものは、捨てるか手荷物に入れるしかなかったのですが、本帰国に備えて以下は次回までの教訓です。今後も引っ越しの予定のない方は最後の「今後のブログ」の部分に飛んでください。
手荷物は早めに作っておく
引っ越しの1週間前には、手荷物として運べるものだけを、スーツケースにきちんと入れてわけておかないとだめだったと今頃反省しています。ただ、スーツケースの横に山にしておいただけでは入りきらなくなっちゃうのです。さらに、スーツケースには、万が一のためのスペースも残しておかないとダメです。
その手荷物ですが、オランダでのホテル暮らしが最低2週間、家が決まらなかったら数週間になる可能性があると言われたので、食品や食器、欧州大陸仕様のソケット類や延長コード、衣類など手荷物が多岐にわたりました。
また、運送業者さんに聞いて初めて知ったのですが、今、船便やトラック便、航空別送便ではハードディスクを送ることができないのです。全てのPCにはハードディスクが内蔵されていまして、これは飛行機の機内持ち込み手荷物でのみ運べます。つまり、ノートPCやスマホ、タブレットだけではなく、itunes用にもっていたアップルのミニなども全部手荷物となりました。これだけで結構かさばります。他にカメラもあったし。
「さしすせそ」以外の調味料は極力買わない
もう一つ、大変だったのが、生ものです。引っ越し前日になっても、調味料とか生鮮食品とか冷蔵庫やパントリーにどっさりと残っていました。しかも、タマリンドソース、オイスターソース、コチジャン、甜面醤といったエスニック調味料が何種類も冷蔵庫に入っていて、それを容器ごと埋め立てゴミに出すのは倫理的にできなくて、容器から中身をかきだしては洗ってと言う作業を深夜遅くまで続けました。
冷凍庫にも冷凍餃子やピザ、アイスなどが残っていて(アイスは夫がせっせと食べてなくしてくれたけど)、最初からわかっているのだから、1カ月以上前から献立にして片付けておかないといけなかったのです。
作業をしながら、我が家はもう夫婦二人になったのだし、「さしすせそ」の調味料以外は小さい容器のものを買う、小さくなければ買わないようにしようと思いました。ほとんど使いきれずに残っていたからです。
缶詰や乾物も大量に残っていたのですが、幸いトラックでの引っ越しだったので、積み込んでしまいました。
次の本帰国の時は、食品は全部廃棄です。調味料は引っ越しの2週間以上前に中身を捨てて、資源ごみの日に容器を捨てておかねば。
衣類は徹底的に処分が必要
輸送会社の担当者の方が私の衣類を梱包してくれたのですが、見ていて恥ずかしくなりました。英国の室内は薄暗いので気が付かないのですが、その日の作業の最中、箱の横に置いた紙に広げられた自分の衣類をみると襟が黄ばんでいたりして、もっと早くに捨てておけばよかったと思ったのでした。
仕事を退職したので、今後は週5日間、毎日通勤することはなくなりそうなので、今までのようなカチッとしたスーツは減らしても良いかもしれません。これを機に古い衣類を潔く処分しようと思いました。
特に、「いつか痩せたら着よう」などと言う服は撲滅せねば。「いつか」なんて絶対こないですよね。
それと黒い服も減らそうと思いました。仕事柄、黒やグレーの服を多く持っているのですが、自分から見れば、それぞれ形やデザインが違っても、他の人からみればディテールなんて絶対覚えていませんから、どれも同じに見えるはず。すっきり見える服を厳選しなくては。
物を売るのは容易ではない
痛感したのは、物を売るのはあまり簡単ではないということでした。いくつかあるのですが、売却には時間がかかることと、もうひとつは引き取ってもらう時に、自分で届けるのでなければ住所を開示しなくてはならず、それは危険を伴うのです。
相手を日本人に絞れば、少し安全になりますが、なかなか買い手がみつかりません。さらに、今回は英国で処分できず、面倒くさいと言う理由で結局オランダに持っていってしまったくだらないものがいくつもありました。例えば下の写真のワンダーコアとか。芝刈り機や小さい家具類です。
本気で売りたいものは、引っ越しの2カ月以上前に売りに出さないとダメです。英国で売りそびれた品については、オランダ1年目のうちに売却しようと思います。
でも大事なことは、物を売ることは容易ではないので、将来売らなければいけないようなものは極力買わない、持たないということです。
売らない場合はもう少し簡単です。どうしても日本人駐在員は言葉の問題などがあって、物の処分など日本人間で済ませようとしがちですが、雑貨や庭の植物など、現地人の方が喜んでひきとってくれるかもしれません。というのは、彼らは教会のバザーなどに出すものを探していることが多いからです。
私の植物達は、ほとんどが日本人の友人の家にいきましたけど、近所の英国人たちも大歓迎してくれて、「なんでも持ってきて」と言われました。英国の場合はこれに加えてチャリティショップもあるので、さらに簡単です。ベッド下ワゴンなんて誰がもらってくれるんだろうと思ったのですが、チャリティショップにもっていったらハグされちゃいました。
書籍は電子化の途中
我が家には本もたくさんありまして、それは私が活字中毒だからです。文庫本の小説については、せっせと「自炊」作業を進めたところ、うれしいことに引っ越し数日前に全文庫本を自炊し終わりました。自炊とは本を裁断して高速スキャナーでPDFとして読み取り電子書籍にすることです。数えたら約900冊ありました。
でも、漫画本には手を付けていないし(ほとんど日本にあるので)、王立園芸協会(RHS)の協会誌GARDENも電子書籍化できず、5年分の中から興味のあるページだけ切り取って持ってくるような状態だったので、作業はオランダでも続けます。電子書籍化については、いつか別途ご紹介します。
荷物の仕分けを徹底する
最初の手荷物を早めに作っておくことと共通するのですが、引っ越し荷物と手荷物を厳格に分けることが引っ越しのコツです。運送会社さんからも再三注意されてチェックリストまで作らされました。どうやらどの引っ越しでも、大事なものが引っ越し荷物に紛れ込んでしまう(パスポートや貴重品、チケットなど)という混乱が起こるようです。
今回、その点は夫がしっかり管理しれたものの、それでもやっぱり、キッチン雑貨の中に、借家の皿洗い機の塩を入れるためのプラスチックの漏斗のようなものがまぎれこんでしまったり、シーツと枕カバーが1点ずつ、オランダに送られたりしてしまいました(後で回収して送り返さねば)。
次回は、大家の荷物、寝具などは、きちんと分けて、引っ越し業者さんが触るところにはおかないということを、もっと徹底したいと思います。これは、入居してすぐ、行わないと、自分のものが到着すると紛れてわからなくなってしまうのです。一番良いことは大家さんのものは別の箱にしまう、使うなら写真かなにかにとっておいたり、こまめにメモをつけて、どれが大家さんのものかわかるようにしておくことです。また、その作業をやらねば。
Sky TVとは二度と契約しない
今回、引っ越し作業とは別に大変だったのがSkyTV&ブロードバンドの解約でした。Skyのウェブサイトに行くと、電話、メール、郵便などの窓口が書かれているのですが、実際のところ、混雑していて全然つながらないし、つながってもパスワード(インターネットとは別で、契約時に伝えたと言い張っているのですがもらっていない)がないとか、その代わりのシークレット質問とかあれこれ答えている間に切られてしまうのです。チャットでも同様でAIが先に出てきて色々な質問をしてくるので答えて、やっとオペレーターに替わると何時間も待たされている間に切れてしまうのです。
要は、解約に応じたくないわけです。そのひどさたるや、毎年デイリーテレグラフ紙が紙面に記事を掲載しているほどでした。2019年も出ています。
そんなこととは知らない私、1日がかりでチャットしてみたり、電話してみたりして、1週間近くを費やし、ようやく1月31日の昼過ぎにつながりました。その時は、解約の旨、連絡して解約セットを送ってもらうよう頼んで、Skyからも「先ほどの応対はいかがでしたか」という電話アンケートまで届いたので、てっきり手続きできたと思い込んだのです。しかし、解約セット(貸与されているテレビ受信機やルーターを返却する箱)が届くのを待っていたのですが、1週間待っても来ない。
そこで、もう一度、今度は電話受付開始時刻である8時45分の2分前に受話器のボタンを押してみたのです。すると1分待ち位でオペレーターにつながりました。そこでガンガン文句を言って、あれこれ言ってようやく、解約セットを送ってくれることになりました。
しかし、結局、引っ越しをする週の月曜日に「送る」というメッセージはきたものの、解約セットは金曜日の引越し日までには届かず大家代理人に頼んで引越しました。翌週の月曜日に箱が届いたそうで、返却してもらいました。期限内に返却できないと3万円程度の罰金になるのです。
こんなに解約困難な業者、2度と利用したくありません。もし、ご利用中の方がいたら、解約は引っ越しの40日ぐらい前から、作業を始めることをお勧めします。
退職の挨拶も意外と大変
色々と後手後手にまわってしまった感がありますが、引っ越しの1週間前まで働いていたことがやっぱり敗因です。引継ぎ書を作ったり、退職後も問い合わせに応えたり、挨拶メールを送ったりと家でもやることが多かったうえに、挨拶メールを職場の同僚や仕事で知り合った方に送ったところ、予想以上に多くの方からお返事をいただいてしまったのです。後輩達からのとても暖かいメッセージが多くて、励まされたのですが、それに返信をしている間にあっという間に引っ越し日になってしまったのです。
実を言うと、私はこれまで退職の挨拶を受け取っても特にお返事していませんでした。多くが退職日に来るので、返信しても無駄かなと思ったのです。ところが、多くの方が個人メールの宛先にちゃんと返信されているんですね。私が今までいかに冷たかったのかがわかって深く反省した次第。
ブログの今後は
長々と書いてきましたけど、そういうわけで、2015年3月に始まった我が家の英国生活が終わりました。振り返るとあっという間で、英国のEU離脱同様、我が家も淡々と英国を離脱したわけです。
このブログ、タイトルが「英国の庭から」なので、これからどうしようかと思案中です。しかし、実は英国情報、まだ半分も紹介できていないのです。だから「英国の庭から」はこのまま続けて、思い出話になって恐縮ですけど、リライトしながら、もう少し読みやすく項目ごとに分けたいと思います。
これとは別に右の方のTwitter欄で日々ご覧になっているかと思いますけど、オランダの近況を伝えるページを作るつもりです。
近日中にそのページを立ち上げますので、懲りずにご覧いただければ幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。