英国の庭から~海外生活ブログです

欧州調査歴25年以上のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

日英のベビー服にみる生活文化の違い

もう、20年以上前になりますが、夫の最初の海外赴任は1994年で長男が生まれた翌週でした。私は実家でだらだらと半年近く過ごしてから、生後5カ月の長男を連れて渡英しました。その4年後に英国で長女を出産しました。

 

出産や子育てというのは、かなりその地域独自の伝統を反映していまして、あれこれ違いを感じた覚えがあります。せっかくの体験ですので、今後、折に触れ、出産事情、子育て、ベビー服等々における日欧の文化の違いについて書きたいと思います。これから出産される方の参考になれば幸いです。

 

ただし、あれから20年の間に大きく変わった部分もあると思いますし、特に出産事情については、個人差が多くあります。というわけで、「今では違うよ」「自分とは全然違う」ということも多々あると思いますが、その点、ご容赦ください。

 

日本と英国のベビー服で私が最も違うと感じたのは、保温と発汗に対する考え方でした。日本は基本的に湿度が高く、高温の時期が長いので、ベビー服や子供服は、通気性や吸汗性を重視した作りになっています。

 

一方で、ヨーロッパは、とにかく赤ちゃんの保温が優先。だから、生まれた直後に産湯に浸からせる習慣すらなく拭くだけ。娘が生まれたときは、「洗ってください」と事前に頼んでおいたくらいです。中世の頃など、生まれてしばらくの間は布でぐるぐるまきにしていたようです。

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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『羊飼いの礼拝』

こうした、基本的な考え方の違いは大きくて、例えば、肌着の上に着させるスリープスーツというのでしょうか、歩けるまでに着せる服の多くが靴下とズボンが一体型になっていて、足を露出しないものです。また日本では長肌着とかドレスタイプとか、足の方からも換気できるようなデザインが多いのに、足も頭もなるべく外気に触れさせず、外出時には帽子もかぶらせますし、歩けないうちから靴まで履かせます。

 

最初に英国に来た当初、5月の暖かい日、生後半年の長男をバギー(英語ではPush Chairといいます)にのせて、近所を散歩していたところ、おばあさんに呼び止められて、しばらくお説教されました。「子供を虐待(abuse)している」というのです。その理由は息子の足が素足だったから。だって、どうせ息子は歩けないから靴は不要だし、外は暑くて半袖に半ズボンで十分の気候です。それでも、靴を履かせないと「足が冷える」「ケガする」の一点張り。しかし、これこそが文化の違いだと思いました。そこで、娘が生まれて3カ月後の秋には、立派な革靴をかってやりました。一度も歩くのには使わなかったその靴は、見ているだけでかわいいので、今でも日本の家にとってあります。

 

さて、一方の、日本のベビー服は、子供が暑さでのぼせてしまったり逆に汗で冷えてしまったり、汗による皮膚炎(あせも)などを避けることを主眼にしています。上の子のときは、母がデパートの新生児用肌着を一式購入するよう勧めてくれました。短肌着、長肌着、コンビ肌着を数枚ずつ購入しました。綿の質がすばらしく良くて、頻繁に洗濯しても形崩れしません。スナップではなくて綿テープを結んで止めるのですが、その綿テープでさえ、頻繁な洗いにもかかわらずよれてしまわないんです。しかも、もっとすごいことに、赤ちゃんの地肌に直接縫い目がふれないように縫い目が外側。こんな配慮は世界中見ても日本の高級ベビー肌着だけじゃないでしょうか・・・

(もし、お買い求めになるなら、短肌着はあまり使わないので、コンビ肌着をおすすめします。このような形です。)

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股の部分に2か所スナップがあり、はだけないのが特徴

 

さてさて、このようにすばらしい肌着で、通気性抜群だったのですが、実をいうと、英国で娘が生まれたときはあまり使いませんでした。というのは娘は6月生まれで、ボディースーツという下のようなタイプで十分だったのです。こちらは湿度が低いので、汗をかかないし、縫い目も特に気にしている様子もなかったので・・日本式ベビー服の欠点は、紐を結ぶ作業がおっくうになってくるんです。 1人目だったら大して忙しくないので良いのですが、二人目以降は紐とかボタンがうっとうしくなります。

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ユニクロのボディースーツ(右側のタイプが英国の主流)

上はユニクロのボディースーツで、英国で販売されているものです。このタイプ、昔の日本では中々見かけなかったのですが、今はこういうボディスーツを使う方も多いのでしょうか?

 

ちなみに左側のタイプは英国ではあまりみかけませんでしたが、両親が日本人で、両親とも頭が小さくなければ、左側をお勧めします。というのは、日本人と英国人の赤ん坊の最大の違いは頭の形です。日本人の頭は英国人に比べて大きく(特に横に広かったり、首も太いので)、せっかくかわいいベビー服を英国で買ったのに、殆ど着る機会がなかったといって、お下がりをいただいたことが多々ありました。 (こちらの赤ちゃんは頭が長細いので、お母さんはお産も楽なはずです)

 

また、英国のベビー服ですが、フランスやイタリア、日本などのものに比べるとあまりかわいい感じがしません。ひとつには、英国の赤ちゃんは殆ど髪の毛がなくて、顔立ちも老人みたいなので、あまり甘いデザインだと、ベビー服に負けてしまうせいかもしれません。また、もう少し大きくなると、大人の服をそのまま小さくしたデザインが多いと思います。ベビー服同様、子供服も日本人のお子さんに買う場合は、首回りが小さめなのでその部分を気を付けて買われると良いと思います。

 

さて、これからベビー服を調達する方への注意点ですが、あまり先走って買わないこと。必要に応じて購入することが肝要です。というのは、赤ちゃんが育つのは早く、季節が合わないと全く着ないうちに大きくなってしまうからです。

 

また、赤ちゃんは発汗が激しいので、基本は薄着です。欧州のやたらと着せまくるというのは、日本人が居住する住居だと、汗をかかせ過ぎて逆効果になってしまうかもしれません。欧米の親は自分自身が寒さを感じないので、部屋の温度は低く、赤ちゃんは暖かめに‥という配慮をします。一方、日本人が海外で生活していて子育てする場合は、親自身が寒いと感じますので、自分の肌感覚で調整すれば大丈夫だと思います。

 

また、日本で赤ちゃんを育てる場合は、日本は南北に長く、住宅事情もまちまちなので、これは家の環境、周囲の気候に合わせて衣類を揃えていくしかありません。

 

ベビー服の材質ですが、日本製も外国製もベロア地のものを買うときは要注意です。ベロア地はかわいいのですが、耐久性が低く、特に付け外しの多い、アメリカンスナップタイプボタンだと地が抜けてしまうことが頻繁にありました。また、歩くようになると、足の底の部分がすりきれてしまいます。

 

また、赤ちゃんの個体差というのも意識する必要があります。アトピー体質で常に肘やひざの裏側が切れてしまう子、頭に脂漏性湿疹ができる子、汗っかきの子、手にやたらと汗をかいて手を開くといつもびしょびしょの子、よだれがの量が半端じゃない子とか、それによって必要なものが大きく異なります。

 

英国の子育てで、日本と大きく違うと思ったのは、おむつ替えのたびにお尻の周りを徹底的に拭き清めることでした(よそのお母さんたちを見ていて知ったのですが)。日本のおしりふきに比べてお尻拭きも大きく分厚いのですが、これは良い習慣だと思い、あまりけちけちせず、毎回キチンと拭いてやるようにしました。

 

しかし、それが良かったかどうかはわかません。というのは、おむつの不快感がないと、今度はおむつがいつまでも取れなくなります。そういうわけで、子育てというのは、常に100点満点の答えはありません。その時その時、最善と思うことを考えながら、臨機応変に軌道修正することと、その一方で、100点じゃなくても子供はちゃんと育ちますので、あまりくよくよ悩まないことをおすすめします。