英国の庭から~海外生活ブログです

欧州調査歴25年以上のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

BBCの日本庭園紹介番組~秋の庭編

先週ご紹介したBBCの番組Monty DonのJapanese Gardenの2回目、紅葉編を見ました。

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春同様、兼六園から始まりました。兼六園では800本の木に500人の庭師が1カ月がかりで雪つりを行う様子なども紹介されました。

 

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春の回では平安時代の船を浮かべる目的の池を中心とした庭、仏教の庭の苔使い、12世紀に発達した茶人の庭、15世紀の禅の庭が紹介されたのですが、今回は17世紀の江戸時代の回遊式庭園が紹介され、その代表例として京都の二条城の庭が紹介されました。将軍家の力を天皇に示すために大改装をした歴史などが紹介されました。二条城、何度も行ったことがあるのに、こういう事情は全然知りませんでした。

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京都ではこのほか、名勝 無鄰菴(むりんあん、山縣有朋の別邸で小川治兵衛が作庭がした琵琶湖からの流水を活かした庭)、その近くの同じく小川治兵衛作庭の対龍山荘(敷地面積が限られる中、借景を利用して広く見せる工夫)などが紹介され、西洋であれば富裕層が絵画などにお金をかけるところ、当時の富裕層が窓からの景色に莫大な財産を投じた様子が説明されました。

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このほか、松尾大社の重盛三玲氏作庭の昭和の当時としては大変斬新な庭も紹介されました。 

 

東京に場所をうつして、回遊式庭園の例として、六義園の様子が映し出され、さらに、サリー出身の英国人建築家ジョサイア・コンドルが作った旧古河庭園、特にそのエドワーディアン様式の英国式バラ園が紹介されました。

https://oniwa.garden/kyu-furukawa-garden-旧古河庭園/

その中で、ピースという名前のバラのエピソード(フランスで作出されたバラですが、第2次世界大戦後、作出家の希望でピースと名付けられ世界中に広がったという話です)や、日本でのハイブリッドティーローズの育て方、つまり、春の花後に強剪定を行い、秋にもう一度咲かせるというやり方も紹介されました。

 

庶民のガーデニング事情をみたいと、川口市の川口緑化センター「樹里安」と大宮盆栽村が紹介されていて、それは興味深かったです。日本に帰ったら行ってみようと思いました。また、盆栽は樹形が三角形になるように作るという基本が盆栽名人から説明されたり、モンティ氏が苔玉作成講座に参加するなど盛沢山な内容でした。

 

建築家の平田彰久氏が設計したTreeness house、チェルシーフラワーショウの金メダルの常連の石原和幸氏(この人は英国ではMoss Man(苔男)として有名です)が監修した羽田空港内の庭など未来の日本の庭園の姿なども紹介されました。

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最後に紹介されたのが島根県安来市の足立美術館の庭園でした。日本庭園の様々な要素を持ち、人気投票で1位となった庭です。建物の中からしか見せてもらえない絵画のような庭園でした。

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秋の回は、紅葉の美しさより、日本の庭作りに、より力点が置かれていました。日本の紅葉の自然な美しさがあまり紹介されていなかったのは残念。庭番組なので、仕方がないのかもしれませんが、足立美術館にしても、小川治兵衛氏、重盛三玲氏の庭にしても、真冬の撮影で良いような気がしました。

 

せっかくの紅葉の時期の番組としては、若干もったいない感じです。紅葉を見るならもっと良い場所が無数にあるのに、それが紹介されなかったのは至極残念。

 

それと、番組全体はまあ、面白かったものの、後ろに流れる音楽がダメダメでした。日本庭園のバックミュージックに胡弓とかガムランのような音が流れていて、日本人としては「これは全然日本じゃない!」と若干憤りを感じました。でも、まあ番組としては一見の価値はありましたよ。