英国の庭から~海外生活ブログです

欧州調査歴25年以上のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

BBCガーデナーズワールド(2019年第16回)

BBCの人気番組(Gardners'Worldの第16回 6月28日放映分)について、遅ればせながら内容をご紹介します。今年の6月は雨が多く、晴れの日があまりありませんでした。特に、番組キャスター、モンティ・ドンのロングメドウの庭は、雨の多い地方にあり、ロンドン近辺よりも天気は悪かったようです。その庭からいつものように番組は始まりました。

https://www.bbc.co.uk/programmes/m00068z4

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今の時期の庭作業~モンティの庭から

バラの花殻摘み

バラの花が終わったら、マメに花殻摘みをします。咲き終わった花の下の2つの葉をつけて(日本ではさらにその下の5枚葉を2つ付けてと言われていますけど)剪定します。やがて脇目が育ってさらに花をつけますので、バラの開花時期を数週間は伸ばすことができるはずだとのことです。

しかし、今年はバラには不向きな気候(湿気、多雨など)でした。その結果、バラのボーリング現象(外側の花びらが開かず、ボール状になって腐って枯れてしまう)が起きています。外側の花びらをそっとむしって開くようにして挙げると救出できることもありますのでお試しください。

ハナショウブを植える

池の周囲の野生動物が育つ環境を作るため、新たに池の浅瀬にハナショウブ(Japanese Iris Ensata あるいはJapanese Iris kaempferi)を植えます。

ガーデンセンターなどで売っている専用の網状のプラ鉢に腐葉土などに富んだ酸性の用土を入れてぐらつかない様にきつめに植えこんで池のふちに沈めます。

ちなみに、英国では、冬は池が凍ってしまうので10月末に引き上げて、湿り気を維持できる霜の当たらない場所で冬越しさせています。今回植えつけたのは下の3種。上の2つは池の中に、一番下の「雲の帯」は、池の中ではなく、池の周囲の湿地に植えます。植え付けたらたっぷり水をやり、乾かないように維持します。

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プリムラの株分け

今はプリムラを株分けするのに最も適した時期です。手で引き裂くようにして分けることができます。1つの塊から5株くらいに分けられます。庭を美しく見せるにはより多い植物が必要です。株分けと言うのは良い質の花を無料で増やす良い機会ですから、ぜひお試しください。

徒長したセリ類の伐採

モンティは、庭の全てをきちんと管理しなくても良いと語っていました(庭が広大だから言えるセリフかも)。野生生物のためには放置しておくぐらいのスペースがあってもいいのだそうです。

ただし、カウパセリ(セリ科のシャク(杓)ヤマニンジン、ワイルドチャービルなどと呼ばれる)については、この時期に伐採してコンポストにしましょう。その下に育つ植物を注意深くチェックし、ゲラニウム(宿根ゼラニウム)は根元から同様にカットしてやると再生します。クリスマスローズは今の時期は葉をとらず、栄養を蓄えさせましょう。セリンセなどを隙間に植えてより彩りを増やしましょう。

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かぼちゃを垂直に育てる

かぼちゃ(squash, pumpkin)は丈夫で育てやすいのですが、横に広がり、よほど広い菜園をもたないと、いくつも植えられないという欠点があります。そこで今年、モンティは非常に丈夫な柱をたて、つるを垂直に誘導する試みを始めました。植える品種は打木赤皮甘栗カボチャです。おいしそう。

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野生を蘇らせる“Rewilding”をモットーとした庭

アリット・アンダーソンは”Rewilding””(整えた庭を野生の状態に戻す)をモットーとするサセックスの庭を訪問しました。10年前、この屋敷のオーナー、ミランダ・ケンダルさんは、庭師ブライアン・スキルトン氏を雇い入れ、ワイルドな庭を作るよう要請しました。最初は伝統的な庭を作り始めたのですが、自然が支配するような形で、発展させてきました。

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オーナーたちは有機農法による環境に優しい農業を信奉していて、それを庭にも取り入れているのです。種、昆虫、動物など入ってくるものは全て受け入れています。その結果として庭はどんどん野生化し、雑草も大型化していくわけですが、最小限のコントロールを加えるだけで、なるべく自然のままにしているそうです。倒木などもそのままにしておくことで、野生の生態系がそこにできるそうです。(これは絶対に日本ではありえない。野生に優しいという名の放置にしか見えません。物は言いようだな、というのが見ていた感想)

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オーナーもこれで満足ということなので、一見すると放棄地のようですが、これでいいのでしょう。

車いすでガーデニングを楽しむ

https://www.bbc.co.uk/programmes/p07fqcjl

番組プレゼンターのマーク・レーンは16年間車椅子に乗ってガーデニングをしているそうです。その過程で、道具や庭を障がい者でも楽しめるように工夫してきました。今回はその工夫を紹介します。

まず、車いすと並行して走らせることができるトロリーをみつけ、それで庭道具を運んでいるそうです。 

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通路は100~120cmがちょうどよく、両端に写真にみるような縁をつけることで車輪の落下を防ぐことができます。

車いすの車輪が大きいタイプので、大きい砂利でも通行に支障がないけれども、手で動かす車輪の小さいものを使っている場合は、砂利の種類を替えるとよいとのことです(self-binding gravel, resin-bound gravelなどが良いとしています)また、Tarmac(アスファルトに似た英国の道路舗装材)でも良いそうです。

道具にもこだわっており、剪定に愛用しているのは、長く伸びるはさみで、ゴミ取り用のピッカーを使って枝をおさえ、はさみで切り取っています。手が届くところでは、フックのついたハサミを愛用しています。剪定ばさみは軽く、刃と柄が長いものを自分でガーデンセンターに行って実際に手にして軽さを確認して選んだそうです。

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ホワイトガーデンにはビバーナムオピュラスロゼウムとフランスギク(Oxeye Daisy Leucanthemum vulgare)を植えている。この花壇の高さを枕木二つ分高くすることで、自分でも世話できるようになっている。庭全体に植物を密に植えています。すきまがないことで、雑草が生えにくいのがメリットです。

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花を植えるという作業も気に入っている作業です。この時に使うのは、長いハンドルの先が取り替えられるようになっているシャベル。これを使って穴を掘り、先ほどのゴミ取り用ピックをつかって花を定位置に置き、土を戻して水やりすればできあがりです。「庭仕事は車いすでも色々なことができるし、そのおかげで外に出る時間が増えたことはすばらしいことだ」とのことです。

ゐから:

このコーナーで紹介された園芸道具について調べてみました。園芸道具は日本製が世界で最も品数が多く、価格も安いので、こちらの製品にこだわることなく、日本で代替品が入手可能です。

庭道具を運ぶトロリー

マークはネットで見つけたと言っていましたが、中国製品のようです。オーストラリアの通販のページはこちら。

www.crazysales.com.au

https://ecowis.en.made-in-china.com/product/sBDQeoNrCpYL/China-Portable-Garden-Tool-Caddy-Cart.html

 

長いタイプの剪定はさみ

こちらは、現行モデルはこれではないかと思います。

Razorsharp Easy Reach Pruner | Spear and Jackson

しかし、日本の次の品のほうが軽くて使い勝手が良いかもしれません。日本から持ってきて、今使っていますけど、ちょっと高い枝とか軽くて大変便利です。

GC-150-0.6 【Gクラシック】花パッチン | アルスコーポレーション

 

ゴミ拾い

下のは英国製。

Economy Aluminium Reacher / Grabber - 26 Inch Mobility Smart

日本にも同等品が多々あり、さらに全く異なる形状のピンセットタイプのものもあります。

 

ハンディなタイプの剪定ばさみ

Burgon & Ballの品で日本でも取扱業者さんがいます。同等品が日本に多々あります。

私も持っていますが、そんなに良いかとなるとちょっとわかりません。下の日本製の方が良いかも。(おしゃれなので、自分へのプレゼント用には良いですけど)

Brie Harrison Secateur and Holster Set | Burgon & Ball – Burgon and Ball

300LW-G-BP 菜園鋏ガード付(ブリスターパック入り) | アルスコーポレーション

 

RHS認定剪定ばさみ

これも持っていますが、こちらは軽くて使い易いです。でも日本製でも同等のものがいくらでもあると思います。

Precision Shear - RHS Endorsed | Burgon & Ball – Burgon and Ball

 

先端が交換可能な長い柄のシャベル、フォーク

これはWolf Garten Toolsと言うドイツのメーカーのものです。私もいくつか持っていますが、赤と黄であまり好きなデザインではないのですが、庭で紛れてしまうこともなく、極めて頑丈です。ここで紹介されたのは次の柄とシャベルの組み合わせです。高いので、セールの時などに皆さん買っています。

https://wolfgarten-tools.co.uk/products/ranges/multi-change-tools/multi-change-handles/zmad-multi-change-aluminium-d-grip-handle

https://wolfgarten-tools.co.uk/products/ranges/multi-change-tools/multi-change-cultivation/lusm-multi-change-hand-trowel-8cm

https://wolfgarten-tools.co.uk/

 

イングリッシュボックスツリー(西洋ツゲ)の戦い 

https://www.bbc.co.uk/programmes/p07fq5gt

イングリッシュボックスウッド(西洋柘植)は英国の庭園に欠かせない存在で、17世紀から広く使われてきました。しかし、数年前から病気、害虫の被害でひどく損傷を受けています。

最初に流行したのがボックス・ブライト(カビの一種)で葉を茶色く枯らしてしまいます。次に特にロンドン周辺の南東部を中心にもっと厄介な害虫ボックスツリーキャタピラーが大量に発生しています。この毛虫は3月~10月に活発に活動します。メスのボックス蛾が枝の下に卵を産み付け、孵化した幼虫が、木が枯れてしまうほどの勢いで葉を食べつくしてしまうのです。

ニック・ベイリーはロンドン、リッチモンドのハムハウス(ナショナルトラスト)のガーデナーロージー・ファイルズ氏を訪ね、あらゆる種類の退治法を研究する様子を取材してきました。

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ハムハウス(ナショナルトラスト)

画像の下段にあるのは、2年間、何の防除もしなかった木です。中に幼虫が隠れています。

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この蛾は一生は3カ月くらいで、1年に3回から4回、卵から成虫に育ち、その都度、ボックスを食べつくします。被害の範囲が小さければ、5月頃に徹底的にボックスの木を調べて、幼虫を捕獲することは有効ですが、庭に何本も木がある場合はおいつきません。欧州の柘植・トピアリー協会の会長クリス・プール氏の助けを借りてメスの匂いがするフェロモントラップ(下の写真左)を置く。これによりオスを減らすことができる。

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また、メス1匹について700個の卵を産むが、メスが嫌う、蛾の排泄物の匂いのある薬剤を最近ドイツの企業が開発しました(写真中央)。その匂いは意外なことに、タイムの香りにそっくりなのです。どうやらボックスの木の根元にタイムを植えると効果があるかもしれません。

さらに有効な手立てとして、寄生マイクロ蜂Parasitic micro waspsという天敵がフランスのドローン地方で開発されました。幼虫の中に卵をうみつけます。この種、来年には輸入許可がでて英国にも入る可能性があります。これを使えばボックスキャタピラーのライフサイクルにメスを入れることができるのです。

 

レスターシャーの庭作り(番組お悩み相談に応じて)

 ニックとルースは1年前、30メートルの奥行のある裏庭を持つ家に入居しました。彼らは8月に結婚する予定で忙しく、庭仕事にかける時間ほとんどありません。庭の知識も乏しく、番組が求めたお悩み相談に「どうしましょう」と申し込んできたそうです。

そこで、番組プレゼンターのアダム・フロストとジョー・スウィフトがお助け人としてでかけて庭の改造に着手しました。

元々植わっていた木があること、庭のはずれに借景のきれいなテラスがあることが特徴で、ルースの希望はもう少しカラフルにしたいということです。しかし、二人には庭仕事の知識はまったくありません(うー、何とうらやましい話。私もこういう立場になってみたい)

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アダムとニックはまず、日陰の部分を何とかすることに。

この部分、乾燥した日陰です。大きく育った紅葉の木の陰に見えますが、よく見ると枯れ枝が多く、それを抜いてやることで、もう少し日光を下の植物にあててやることができます。特に、下にあるチョイシア(メキシカンオレンジ)は日光を求めて、下葉が落ち、先端ばかりに葉がついています。これを切り戻してコンパクトにしてやるようにとアダムが指示しました。また、日陰に強い白いフォックスグローブを後ろに、板塀を隠すように植えます。日陰の暗い部分に明るい色彩を加えるだけでその場が明るくなるからです。

ルースとジョーは庭の端にあるテラスを調えることにしました。ルースの希望は、北欧のようなモダンなスタイル。そこで、ジョーの提案により、テラス両脇の隣家との境の板塀を黒く塗装することにしました。

テラスの両脇に植木を植えます。すでに左側の隣家に塀沿いに長けの高いユーカリが植わっていたので、目隠しと日陰効果をかねてナナカマド(Sorbus)とピラカンサを植えます。

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↑植栽のため、テラスの敷石を剥がすことにしました。新たに用土と有機質の腐葉土などを追加します。また、外の畑との境界にあった生垣(ボックス)が半分枯れていたので切り倒すことにしました。しかし英国では中に鳥が住んでいたり巣を作っている木を伐採することは違法です。そこで何週間か確認し、巣などがないことを確認しました。木を伐り倒し、縁のブロックもとりのぞいて、その部分にディスカンプシア(コメススキ)を植えました。生垣を取り払った部分には、ススキとセージ、タイムを植えました。

(生垣を取っ払ってまばらにススキを植えておしまい!って日本じゃありえない気がしますけど)

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植え付けた植物は以下の通り。

 

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週末の仕事

宿根草の挿し木をとる(上の葉2枚ぐらいをとってパーライトなどに植える)

果物は間引いて、せいぜい1つの枝に2個程度にする。

一期咲きのバラを剪定する(来年の花は今年成長した枝につく)