英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

BBC ガーデナーズ・ワールド(2019年第11回)

すっかり遅くなってしまいましたが、5月17日(金)に放送されたBBCの人気番組Gardeners Worldの第11回について内容をご紹介しましょう。

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https://www.bbc.co.uk/programmes/m00052sn

内容は以下の通りです。

 

 

庭の作業

番組のメインキャスター、モンティ・ドンの庭Longmeadowで、モンティが行った作業としては次のものがありました。

ダリアなど霜に弱い植物の本植え(地植え)

遅霜に備えてプランターなどで温室や軒下で管理してきたダリアなどの植物を最終の場所に定植する時期がきました。

遅咲きタイプのクレマチスの支柱を補強する

支柱の上部にしっかりとロープを巻き付けて、樹形が乱れがちなクレマチスを支柱の中の方に誘引してやります。

オーナメンタルグラス(ススキなどMiscanthus sinensis)の株分け

昨今、ススキの仲間、ネコジャラシの仲間、カヤツリソウなど、日本人からみると昔からあちこちに自生していて、学校の草むしり作業では邪魔なだけだった草類が、「オーナメンタルグラス」と言う名前で、世界中のおしゃれな園芸家からもてはやされています。確かに、ウィズリー庭園などで、秋の夕日などに透けて、風に揺れて輝く様子をみるとステキです。しかし、ブームに乗じて、無計画に植えられた近所の家のグラスの管理状況をみると悲惨です。手に負えないほど、巨大化して、形が変形して、あちこち枯れていて、ダメダメです。いつまでブームは続くのでしょう?

英国は日本ほど暑くないので、こうした草類の育ちが遅いのです。しかし、それでもやはり何年か経つと巨大化し、形が不格好になったり自身が作った日陰で成長が悪くなっていきます。モンティは今回、植え付けて7~8年する株を初めて分けることにしたと話しています。半分くらいの根のかたまりをよたよたと別の場所に運んで行って、穴を掘って植え付けました。あまり栄養過多だとよくありません。パインで作ったバーク(弱酸性)などでマルチングしてあげるとよいとのことです。

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すすきです♪

 

セリ科の宿根草の植え付け

モンティはこの白いセリ科の植物たち、英語ではCow Parsleyと総称されるのですが、レースフラワーなどの仲間のように思いますが、大変気に入っていて、この植物と白い花を中心としたボーダーを作っているのです。上のススキとは対照的に、とても素敵だと思いました。場所をとるので、土地がないとなかなか真似できませんが。

植えつけた植物はこちら。2月に撒いた種から発芽した苗で、花は6月頃から8月頃まで咲くそうです。

下の写真上段左側 Ammi majus – Bullwort
上段右側 Ammi visnaga – Toothpick bishop’s weed
下段左側 Orlaya grandiflora – White laceflower
下段右側(花と葉)Myrrhis odorata – Sweet cicley

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ボーダー花壇に宿根草を追加して色合いを加える

新たに加えた植物は次の通り。

写真上段左Eupatorium maculatum ‘Riesenschirm’ – Joe pye weed
上段右Achillea millefolium ‘Lilac Beauty’
下段左Anthriscus sylvestris ‘Ravenswing’

また、下段右のViburnum plicatum f. tomentosum 'Mariesii' が満開でご満悦でした。

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Ammi majus – Bullwort
Ammi visnaga – Toothpick bishop’s weed
Orlaya grandiflora – White laceflower
Myrrhis odorata – Sweet cicley

また、アリウムのパープルセンセーション(今回の扉)も植え付けていました。

 

個性ある個人の庭の訪問(3カ所)

熱帯植物の葉物ばかりの庭

ケントにあるこの庭の持ち主はPhilip Oostenbrink氏。彼はカンタベリー大聖堂の庭のガーデナーなのだそうです。自分の庭は、花ではなく、特別変わった南国調の葉物ばかりを集めています。冬の間は小さく剪定して、温室に取り込み、温かくなったら外の庭に植える。密に植えこむので、雑草も生えてこないそうです。変わった葉が好きで、葉一面にとげが生えているSolanum Pyracanthum(下段左側)や、バナナやカンナ、Aspleniumの仲間などです。 

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日向と日陰の2つの顔を持つ小さな庭

ウェスト・サセックスに住むChristine Mitchelさんの庭は、階下の日陰の庭と階上の日向の庭と言う小さくて極端な2つの庭の組み合わせです。しかし、廃品(古いボートを日陰付きのベンチに改造など)や安くなった苗などを組み合わせて自分だけの憩いの空間を作り出しています。

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牧師館の庭を見事に作り変えた庭

番組キャスターのアダム・フロストが訪問したレスターシャーのしたこの庭は、Sarah Furnesさんが古い牧師館の庭を自らのセンスで作り替えた庭です。この庭はナショナルガーデンスキーム(NGS)で公開されていますが、見事な庭です。私はこの庭は出かけてみたくなりました。

www.ngs.org.uk

 

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海岸沿いの庭の工夫

番組キャスターで、ケントの海岸に近い場所で自分のアロットメントを作っている、フランセス・トップヒルは、北ウェールズのアングルシー島の海に面したアロットメントに取材に行きました。そこではブドウを育てて白ワインを作っている人(下の写真にうつっているキーバン氏)もいて、どうすれば強風に負けずに植物を育てられるのか、コツを聞きました。有効なのは、防風林や風よけを設置すること、さらに全ての植物には添え木をしており、低い植物にはネットをフレームに張って保護していることなどがわかりました。また、植物に栄養を与えるため、海岸に打ち寄せられた海藻を拾って、畑に梳き込んでいるのだそうです(海岸の所有者に確認する必要があります)。

ちなみにブドウですが、壁の上、トレリスの上またはアーチの上に誘引して育てますが、慎重に剪定すれば小さな場所でも育てることができます。ぶどうの実が熟すためには適度に深く、水はけの良い土壌とたくさんの日光を必要とします。英国えは地植えで成長できますが、北部では、温室内で育てる方が良いそうです。

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北ウェールズのアングレジー島

脳に障害を負った人々のための庭

ジョー・スウィフトとフロレンス・ヘッドラムの二人は、事故などで脳に障害を負った人のための施設を訪問、25年前に脳に障害を負って、言葉を思い出すのが難しいと話すスティーブン氏(左下の写真)が作った見事な花壇に花を植える手伝いをしました。事故前には園芸作業にはまったく関心がなかったというメンバーたちが、この場で交流し、植物の世話をすることで居場所ややりがいを見出す様子が感動的でした。

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今週の作業

挿し木をしよう

つつじなどの挿し木をとりましょう。新芽のついた枝の先を10cmほどに切り取りポリ袋に入れて作業する場所にもってきたら、先端の葉を2〜3枚残してその根元の節の下を鋭利なナイフで斜めに切ります(Softwood cuttings)。そして、パーライトたっぷりの水はけの良い挿し木用土に挿します(容器の縁に沿うようにさす)。苗用の容器、またはポリ袋をかけて置いておく(日本と違って、英国の夏は温度があまり上がらず、湿度も低いため、過湿と一定以上の温度の維持が不可欠です)。

 

秋桜の苗の植え付け

水はけと土を軽くするため沢山のパーライトをまぜた用土に植え付けましょう。

 

鉢植えに液肥をやる

モンティは海藻エキスを使っているそうですが、トマト用肥料で十分だそうです。

 

ハーブの種を撒く

コリアンダーやローズマリーなど。