英国で生活をしていると、その不便さ、不合理さに、つい「英国人ってバッカじゃね?」と口走ってしまうことがよくあります。ありすぎてすぐに忘れてしまうのが残念。今後、思い出す都度、書きたいと思います。初回は「オーブンと流しの関係」について。
英国人はオーブンを多用します。ガスや電気のコンロより使う頻度が高いかもしれません。スーパーには多種多様な惣菜が売られており、その大半はオーブンで30分位温めれば食べられるものです。英国人の多くは平日、そうした出来合い惣菜をオーブンで温めて食べています。週末に「手作り」するときは、カット済みの食材をトレイに並べて塊肉と一緒にオーブンでローストします。
かくしてオーブンはフルに活用されています。以前の家では、ガスコンロの着火ボタンが壊れていて、何度直してくれと頼んでも、結局2年以上、相手にしてもらえませんでした。しかし、オーブンが壊れたと言ったら即日、新製品を買ってくれました。オーブンの重要度の方が上だという証拠です。
さて、そのオーブンですが、問題は、使用後の鉄板の掃除です。ロースト肉などを長時間焼いた後の容器は、付け置き洗いしないと汚れが落ちません。
ところが、いざ、付け置き洗いしようと思って流し(シンク)に運ぶと、鉄板が入らないのです。英国のシンクの標準サイズは、日本の半分程で、幅35cm、奥行き40cm、深さ20cm程度です。一方、オーブンの標準の幅は幅60cm、少し大きな家だと90cmです。鉄板もそれに近い大きさになります。
その結果、次の写真のようなことになります。
付け置き出来ない。
ね、ね、ね、バカみたいでしょう?周囲に水分を撒き散らしながら向きを変えないと、満足に洗うことさえできません。
一体、英国人はオーブンの天板をどうしているのでしょう?そもそも、我が家のシンクが小さいだけなのか?DIY最大手のB&Qのウェブサイトをみてみました。
https://www.diy.com/departments/kitchen/kitchen-sinks/DIY824295.cat
やっぱり、この小さいサイズが主流です。そうなると、私の推測した答えは1つ。
英国人はトレイを洗わない。
きっとグラタン皿とか、専用の小さい容器をオーブンに入れていて、それだけを洗っているのでしょう。ローストミート用には、使い捨てトレイも売っています。でも、私自身、その方法を試していますが、かなりこぼれたり、はねたりします。ビスケットなどを焼けば、ペーパー越しに油分がトレイに伝わりますね。
私が「英国人って理解できない」と思うのはこういうところです。流しに油を流してしまうのも理解不能でしたが。
ちなみに、英国在住の方へのアドバイス。各種オーブン洗剤が売っていますが、栄業行(中華スーパー)で売っているP&Gの業務用スプレーが優秀です。お試しください。