
BBCのGardeners' World 2019(第5回、4月5日放送分)の主な内容は次の通りです。
1.池の手入れ
2.Peony(牡丹と芍薬)の魅力
3.水仙の魅力
4.野菜(人参とアブラナ科に属するもの)の種蒔き
大きくこの4つでした。順番に要点を報告します。

池の周りにプリムラを植える
野生生物が活発に活動を開始する前に池の手入れをすること。それと池の周囲の植物をマルチングして湿度を保たせるとともに、湿潤した場所を好む春の植物を植えるという作業をしていました。
Montyは池の周りにカマッシアCamassiaと言う青い花をつける草とホスタを植えていますが、それ以外にカラフルで高さのあるプリムラを植えることで華やかにしたかったようです。




選ばれたのは次の3種です。これはプリムラ・シネンシスの仲間だと思います。日本には入っているのでしょうか?
Primula wilsonii var anisodora (赤)60cm~90cm位に育つ、
Primula pulverulenta Mealy Primrose(濃いピンク)90cm位の高さに成長する、
Primula bulleyana Bulley’s primrose(黄色~オレンジ)60cm位の高さに成長する、
いずれも先にたっぷり根に水を含ませてから植え付け、水やりを頻繁に行うようにとのアドバイス付きでした。うまく根付けば5月末から6月に代えて楽しめるとのことです。秋冬に枯れますが、春には復活するそうです。
Peonyの魅力
2番目は、Peonyの紹介でした。サマーセット州Langportに住むPeonyを25年も育てている愛好家の女性Susannah Applegateさんの庭を昨年初夏に訪問し撮影した映像です。

Peonyは日本語で芍薬(しゃくやく)や牡丹と呼ばれる種類の総称です。英国では名前は1つしかありませんが、大きく分けて3種類。
1つ目が幹の部分が完全に木質化する日本語で言うところの牡丹です。
2つ目が宿根草タイプのもので日本語では芍薬、
3番目は牡丹と芍薬の中間種で日本で始まったようで、日本ではハイブリッドシャクヤクと呼ばれている模様。両方の良いところをもっていて、丈夫な幹、牡丹にもシャクヤクにもない黄色な花など大型で豪華な花を咲かせます。ただし、高価なのが欠点。Montyが植えつけた ‘Scarlet Heaven’など番組では1株70ポンド、ネットでは130ポンド以上していました。日本では5,000円以下で売っていますね。うふ。帰国したら買うかも。
さて、Susannahさんによると、花弁の形から一重、アネモネ咲き、二重(ダブル)、セミダブル、三重以上と分けられます。




育て方のコツは、
植え付けの際、高めに植え付けることで、生え際が地表面より2cm以上潜らないようにすること。
シャクヤクは支柱が必要なこと。
牡丹は秋に剪定が必要なことです。
これ以外は簡単で丈夫で、5月~6月にかけて花が咲きます。地植えができなければ鉢植えで15年以上元気に育つと言っていました。初心者にお勧めの種類はBowl of Beautyで花付きがよく自信がつくからと説明していました。

しかし、そんなに簡単ではなく、一般に英国では育てるのが難しい植物と言われているようです。そこで、Montyが自分ての庭に2本植えつけてみせました。
植えたのは2本。1つは芍薬の ‘Karl Rosenfield’ 、もうひとつは中間種のScarlet Heaven’ で、牡丹や中間種は芍薬より深く植えつける必要があります。Scarlet Heaven’ は花付きが遅く6月の終わり頃に咲くようです。
水仙の魅力を探りに水仙畑に行く
ニック・ベイリーがリンカーン州にある水仙畑に行きました。これは球根大手のTaylors Bulbsの農場です。

Narcissus ‘Carlton’
Narcissus ‘Mount Hood’
Narcissus ‘Jack the Lad’
などが紹介されました。
水仙は英国では、数年たつと盲目になる(旺盛に広がるけれども何年かするとぱたりと咲かなくなる)といわれてますが、その理由についてTaylorsの4代目社長のアダム氏に聞いたところ、増えすぎて栄養不足となり、成長しなくなるためで、数年後に掘り起こして株分けすると良いとアドバイスがありました。ちなみに、球根として売っているのは5年目くらい株の球根だそうです。水仙の植え付けのコツは、球根の大きさの2倍の深さに植えることだそうです。
Montyは自分の庭の白い水仙Narcissus ‘Thalia’ Daffodilが好きだと言っていました。

野菜の種蒔き
古いブリキの水の容器を使ってニンジン種Carrot ‘Nigel’を撒きました。ニンジンは水はけがよいのを好むので、容器の下(四隅)にはレンガを置き地面との隙間を設け、用土にもたっぷり小石を混ぜていました。

さらに、野菜専用の種蒔きコーナーを作り、プラスチックのポットなどを使わないで済むようにしました。そのかわり、雑草をせっせと抜いてねと言うのがアドバイスでした。蒔いたのは、アブラナ科アブラナ属のケールKale ‘Cavolo Nero’ (‘Black Tuscany’) 、芽キャベツなどです。ニンジンは小さいものが6月、成熟したmのは8月~9月に収穫できるそうです。

これ以外の今週の仕事としては、
1.地中海原産のハーブ(セージとタイム)は木質化しやすいので、この時期にかなり強く剪定して新芽を吹かせる
2.ルバーブを収穫する(ハサミで切ると雑菌に感染してしまうので、手でむしる)
3.シダを生え際まで切り取る(新しい芽を出させ、育てる)
以上です。

Fritillaria imperialist ‘Rubra’ Crown imperial ‘Rubra’
鳥ががついていたら、この花は鳥が受粉するのが特徴なので、心配しないようにとのことでした。