英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

EU離脱は最長10月31日(ハロウィーン!)まで延期(ブレグジット その31)

<EUは英国に10月末までの離脱延期を認める>

ブレグジットの次の離脱期限が4月12日に迫る中、10日夕方から開かれた緊急欧州理事会(EU首脳会議)は4月11日0時過ぎ 、英国に対して最長10月31日までEU離脱(ブレグジット) 再延期することを認めました。

 

EUによる付帯条件というのは以下のとおり。

1.新離脱日:英国とEUが離脱協定に批准したら翌月の1日、 または11月1日。

2.英国議会が5月22日までに離脱協定案を批准しない場合、 英国は欧州議会選挙に参加する。選挙に参加しない場合、 離脱延長は5月31日までとし、6月1日に離脱する。

3.再延長には応じるが、離脱協定の再交渉はしない。 再延長期間中に、離脱後のEUと英国間の将来関係に関する交渉も行わない。

4.英国にはいつでも離脱通知を撤回する権利がある。

 

メイ首相はもともと6月末までの離脱延長をEU側に要請して いたので、むしろ長すぎる猶予期間をもらったわけですが、EUは断固として離脱協定案の再交渉に応じる姿勢はみせていません 。メイ首相は欧州理事会後の記者会見で、「 できるだけ早急に合意ある離脱をすべきという考えに変わりはな い」と発言していますが、すでに3回否決された「 政治宣言」と「離脱協定案」をどのように議会に承認させるのか、 まったく見通しが立っていない状況に変わりありません。

<ノー・ディールの可能性は遠のく>

とにかくこれで当面ノー・ディールの心配はなくなったことになりました。うまくいけば今年の夏の大陸旅行は例年通り、英国の免許証が使える、と内心ほっとしている市民が大多数。しかも、10月31日という最終期限がハロウィーンとなったことから、 さっそくかぼちゃや魔女と組み合わせたブレグジット風刺漫画や写真、動画などが続々と投稿されていて、夕べはこれで楽しんだ人が多かったようです。

(今年のハロウィーンは盛り上がりそうですが、これでいいのでしょうか?)

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Bob Moran画、Daily Telegraph4月11日付

 

当面、5月22日の欧州議会議員選挙に参加するのか、しないのかが焦点です。 参加しない場合、6月1日にノー・ディールで離脱させられる可能性があります(可能性は低いけど)。

 

これから第2の国民投票をやるのか、 それとも総選挙となるのかも注目です。 保守党と労働党の間、各党内で様々な駆け引きが行われるかもしれません。

 

<ブレグジットより休暇が優先>

しかし12月の時同様、 もうすぐイースター。さっそく今日の午後には議会ではイースター休暇の実施が伝えられ、議員たちが喜ぶ光景が流れていました。やっぱり、国の一大事より休みが優先なんですよ。もっとも、国会開いていたからって、ロクな結果を出していないし、国会議員の多くがブレグジット問題で精神的に疲れ切っていると報じられていますが。

 

一方、昨晩のBBCのツィートや今日のGuardian紙の記事ではメイ首相があと1年は続投す るとの意思をみせているとあり、ゾンビ首相は当面、 健在かもしれません。でも国民も党員も辟易しているので、 党内クーデターであっさり降ろされてしまうかもしれませんけど。(↓ブラックホールとメイ首相)

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Chiristian Adams画 Evening Standard 4月10日付

 

ちなみに、昨日のタイムズ紙、メイ首相が1月以来、 頻繁に来ている青いコートがイタリアのHERNOの750ポンド のもので(3月の記事には920ポンドと出ていたんですが変ですね)、これまでの露出回数から1回あたり37.50ポンド/ 回でセレブとしては十分コスパが良いというような妙な記事をのせ ていました。メディアもブレグジットの話題に飽き飽きしているのかも。

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Times 2019年4月10日付