英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

議会の次の山場は3月12日~14日(ブレグジット その18)

メイ首相が2月26日午後、ブレグジットについて議会で演説して、今後の日程が発表されました。演説の中で、あれもした、これもしている、と報告しつつも、まとめて議会で投票にかけられるような交渉成果は出ていないということでしょう。そして次のような日程を提示しました。

 

(1)3月12日までにEU離脱合意案に関する2回目の「意義ある採決」を行う

   →可決なら、3月29日に「合意ある離脱」となる。

(2)(1)が否決されたら、3月13日にノー・ディールで3月29日に離脱すべきかどうかを議会で採決する→可決されたら3月29日にノー・ディールで離脱。

(3)(2)が否決されたら、3月14日に短期間の離脱延期に関する採決を行う。

 →可決されれば、離脱延期。否決されれば、ノー・ディールでの離脱。

離脱延期の期間は、メイ首相は「短期間」と言っていますが、現状では短期間では諸問題が解決しない可能性が高く、長期化する可能性が大いにあるとみられています。

 

翌27日の今日は、前日のメイ首相の演説を受けて、ブレグジットに関する議会での修正動議がいくつか出て、夜遅くまで議会のライブが続いています。今日の目玉は、労働党のイベット・クーパー議員と保守党のオリバー・レットウィン議員が提出したEU離脱を定める50条の延長に関する投票を行うことをメイ首相に確約させるという動議で、これは政府の閣僚からの強い支持を受け、502対20で可決されました。この動議で、保守党員20名だけがノー・ディールでの離脱を支持したことが驚きを持って受け止められています。というのは事前のメディアの予想では最低でも50人、もしかしたら90人はノー・ディールでの強硬離脱を支持するとみられていたわけで、もしかしたら、強硬離脱派の内部崩壊が始まっているのではと、とのコメントもありました。

 

このほか、労働党、スコットランド国民党などが出した動議はすべて否決されました。

 

というわけで、議会は相変わらず、ごちゃごちゃとやっているのですが、昨日、メイ首相が初めてノー・ディールとすべきかどうかを議会で問うと宣言したことで、ノー・ディールになる可能性は多少減ったとする見方が強まり、ポンドが上がったそうです。

(↓ノルウェー型、カナダ型と並んで、迷路の中心にEUの旗があるのが意味深ですね)

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Guardian 2019年2月27日付 Eva Bee作

https://www.theguardian.com/commentisfree/2019/feb/27/remainers-brexit-eu-second-referendum-britain