英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

議会は全ての代替案を否決(ブレグジット その26)

今日は議会で、indicative voting (示唆的投票?)というのが行われました。全議員が党の拘束を受けず、提出された16の動議のうち、バーコウ議長が選んだ8つの動議についてまとめて投票するというもの。各議員は8つの投票に30分ぐらいかけて投票したようです。議員たちが投票用紙をツィートしていました。この画像はBBCのものです。

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投票結果ですが、8つの動議全てが否決されました。8つのうち、注目すべきは次の4つです。

1.ノーディールでの離脱 賛成160票、反対400票

2.第2国民投票 賛成268票 反対295票

3.50条撤回 賛成184票 反対293票

4.関税同盟残留 賛成264票 反対272票

いずれも否決されて、議会は何の代案も出すことができなかったので、全くの時間の無駄でした。総選挙しかないね‥というコメントも多数出ていました。

 

なお、上記の採決に先立って、2016年EU離脱法で定められた3月29日という離脱日が、「EU離脱合意案が可決されれば5月22日、否決されれば4月12日に改正する」という風に改正されました。

 

さらに、メイ首相から、同首相が進めてきたEU離脱合意案が可決されれば「辞任する」という発言が出ました。「メイ首相、辞任へ」と報道したところも多いです。しかし、「可決されれば」だし、辞任時期も明確にしていません。そもそも「解散総選挙はしない」と発言して、すぐに解散総選挙を行ったメイ首相。そのウソつきぶりは周知の事実。とはいえ、自ら、辞任という最終カードを切ったわけです。離脱法案を国会通過させようという熱意は理解できますが、「問題はメイ首相ではなく離脱案の内容」とDUPは速やかに3回目の投票があっても支持しないという姿勢を明らかにしました。

 

一方、自分が首相になりたい政治家たちはさっそくアピール。特にボリス・ジョンソン前外相は「メイ首相案に投票する」としています。これまでさんざんメイ首相案に反対して、新聞にノー・ディールでの離脱を説いているくせに、その破廉恥極まりないこと。さすが英国のトランプの異名をとるだけのことはあります。

 

というわけで、今日の漫画はPeter Brookesの「聖テレーザの殉教」

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https://twitter.com/Cartoon4sale/status/1111015276940836866