英国で日常生活を送っていると、その不便さ、不合理さに驚くことが多いです。このシリーズもはや3回目。今日は、なぜ、21世紀になっても「洗面所の蛇口がお湯と水で分かれている」のか、その理由を調べてみました。
英国の地方のホテルやB&Bに行くと、水道の蛇口が二つに分かれた洗面台によく出会います。いや賃貸住宅でまだこういう洗面台の家もかなりあります。蛇口の先端で水とお湯が交わる混合タイプは、すでに1880年には発明されており、それが米国や大陸欧州諸国、日本など世界中で普及しています。
しかし、英国では21世紀になっても2つの口に分かれているタイプが存続しています。これについては「なぜ?」という疑問が英国人からも出ていて、あちこちに説明が出ています。
上記の写真はこちらのサイトから(クラシックな雰囲気が人気のよう)
https://www.bathstore.com/products/victorian-610-basin-767.html
それによると、冷たい水は上水道から流れてくるため新鮮、飲用水として使うことができます。しかし、温水は家屋の屋上などに設けられているタンクに置かれたのを沸かしているので、有毒なんだそうです。
蛇口が一つになっていると混ざってしまって、「うっかり飲んでしまうと危険だから」というのが、蛇口を二つに分けている理由だそうです。
今でも、英国全体の4割の洗面台は、お湯と水が別々タイプだそうです。
ね、ね、ね、バスルームでの「感電死妄想」と同様、英国人って妙なところに警戒心が強いと思いませんか?
このおかしなこだわりの結果、英国(およびその哀れな隣人アイルランド)の住民は21世紀になっても、温かいお湯で洗顔したければ、栓をして洗面台に貯めるか、自分の手を犠牲にして(マゾか?)手の中で温度調整するしかないのです。いや、分けることで経済的と主張する人もいます(お湯の方がコストがかかるので)
しかも、どういうわけか、混合タイプであっても、お湯と水の合流地点が日本と比べて出口に近いところにあるようで、温度が均質ではなく、洗顔するときなど左手は熱いのに右手は冷えているというおかしな現象がおきています。
ちなみに、お湯は左、水は右と決まっています。これも理由があって、もともとあったものは水で、お湯は後から来た新参者であり、水の方が使う回数が多いので、右利きが多く使う頻度が多いから右が水と決まっているそうです。
かくしておかしな(へ)理屈のせいで、不便に甘んじる英国人たちなのでした。
しかし、若者たちの中にはこれを非常に不便と感じる人も多いようで、2つに分かれた蛇口を1つにまとめる製品の開発に乗り出した人もいます。下はその宣伝ビデオ。
涙ぐましいですねぇ・・