英国に旅行で来られる場合の、国内移動手段としては、車がおすすめです。英国の素敵な景色は田舎にありますが、英国の公共交通機関はあまり信頼できないし、風光明媚な場所、昔の領主の館、さらに英国の名園巡りなどをしようと考すると、鉄道とバスではどうにも動きが取れません。また、これが一番大きな要素ですが、車があるとないでは、泊まることができる宿の選択肢が大きく違います。
先日も書きましたが、英国人の交通マナーは総じて良いですし、車は日本と同じ右ハンドルです。国際免許証とパスポートを持参すればレンタカーをして、まわることができます。(返却と同時に帰ってきますが、1,000ポンド位のデポジットをとられますので、カード決済の方が良いです)
レンタカーの借り方
英国人はマニュアル車がいまだに好きで、レンタカーもマニュアル車の方が多いので、オートマチック車を借りる場合は、事前予約をしておく方が安全です。レンタカーのスタート地点と返却地点は一致しなくても構いません。スタート地点は空港が楽です。これは高速道路に近く、借りた車に慣れるまでの間、一般道より高速道路の方が楽だからです。ヒースロー空港は、若干高速道路までの道が複雑で迷い易いのですが、それ以外の空港は道も空いているし簡単です。
また、ロンドンから特に北イングランド、湖水地方などまで車を運転していくのは距離が遠く、疲れるので、近郊都市まで鉄道で行って、鉄道駅でレンタカーをするのも勧めです。私は、何度かヨークまで鉄道で行き、車を借りて、職場の同僚の女性陣と女子会と称して、近郊の名園を訪ねて歩いたり、ブロンテ姉妹の故郷経由で湖水地方を回りました。ウェールズの北半分も風光明媚ですし、イングランド西部のコッツウォルズ、その先のコーンウォールなども車の方が、1日に回ることができる場所が多くなります。
レンタカー会社には、信頼性の低いところもあり、いざ行ってみると車が用意されていなかったこともあります。去年、バーミンガム駅の近くのレンタカー会社に予約したところ、悪質で手配した車が帰っていなくし、同様の客が何人も何時間も待っていました。キャンセルして、バスで息子とウェールズをまわりましたが、それなら家から車で来たのに‥と思いました。日本から来られる場合は、国際的に名前の通ったところで、オートマチック車を借りられることをおすすめします。運転が上手な方でも、初めての場所、旅の疲れなどを考慮に入れられると良いと思います。
英国在住の方で、英国の免許証を取得されている方については、レンタカーをする場合、要注意事項が2点あります。車の運転免許証に加えてDVLAのウェブサイト
https://www.gov.uk/government/news/hiring-a-vehicle
から21日間有効なcodeをとること、現住所を証明するために直近2~3カ月以内の公共交通料金請求書(名前入りでロイヤルメール経由で配達されたもののみ)を提示しないと借りることができません。
運転では、交通違反に注意
運転に話を戻すと、交通量が半端でなく多いロンドン中心部をのぞけば、あまり難しくありません。
しかし、気を付けなければいけないのは、道路のスピードルールです。道路脇に1軒でも建物があれば、そこは「住宅地扱い」です。最高速度制限が設けられていなければ、時速30マイルが上限です。また、家が1軒もなければ、60マイルが上限となります。
60マイルというのは90キロ近い速度です。細いくねくねした地方の細い道を、ビュンビュン飛ばしていくので怖いです。しかも、都心をのぞいてほどんど街灯はありません。先日、エジンバラ公の運転する車が横転したのも60マイル程度は出していたせいだと思います。
大きな町に近い、交通量の多い道路には、たいてい、スピードカメラが設置されています。こういう黄色いカメラです。このカメラがあるところでは制限速度を5マイル以上超えると請求書が送られてきます(レンタカーでもレンタカー経由で送られてきますし、支払いが遅れると制裁金が上乗せされます)
昨年、両方向二車線で、中間には緑地帯があり、日本人の感覚からすると自動者専用道路のような道を朝7時過ぎに時速36マイル(58km)で走っていたところ、見事に6マイルオーバーで請求書をもらってしまいました。「初犯に限り、罰金100ポンドとポイント召し上げは免除しましょう。そのかわり、警察主催の速度講習(National Speed Awareness Course)を受けなさい。講習料は97ポンドです」という「お手紙」を受け取り、講習に行ってきました。私同様に36~38マイルで捕まったというお仲間たちと1日過ごしてきました。
というわけで、この黄色いカメラにはお気を付けください。時速制限30マイル、40マイルの区間に多く設置されています。
交通違反と言うともう一つ、注意しなくてはいけないのが、比較的大き目の都市の中心部にある「バス専用レーン」です。うっかり前の車について入り込んでしまったり、Google Mapに案内されるまま入ってしまって、後日罰金の請求書を受け取った方も少なくありません。大きな都市の駅の近く、繁華街の近くを走る時は、交通標識に注意が必要です。前の車が入っても、許可証を持っている住民や業者のことが多いのでついていってはいけません。
もう一つ、日本でも最近導入されたロータリー(ラウンドアバウト)のルールが若干難しいです。詳細は次の図をごらんください。常に右から来る車が優先となり、最初は奥の車線に入って、だんだん外に出て行きます。まごまごしているとクラクションを鳴らされることもありますが、追いかけてきて幅寄せされたりするようなことはありません。
通行方法にご関心があれば、以下のリンクをご覧ください。
File:UK Roundabout 8 Cars.gif - Wikimedia Commons
以下は、典型的なラウンドアバウトの風景です。
ではでは、ご来英をお待ちしております。