英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

英国が「紳士の国」だと感じるとき

このところ、英国を批判するような話ばかり書いていました。英国ファンの皆様、申し訳ありません。今日は少し、持ち上げる話題をご紹介。日々生活していると、この国は紳士の国だなぁ・・と思うことが良くあります。私が日々、紳士の国の躾を感じるのは、運転したり、歩いているときに、道を譲るマナーです。

英国人の運転マナーは、総じて日本に比べて良く、郊外を走っている分にはとても運転し易いです。多くの町では、中心部の混雑を避けるため一方通行になっており、初めて通る町だと車線変更が良くわからずまごついてしまうことがよくあります。でも、分岐点でまごまごしていれば、後続車が親切にパッシングしてくれ、割り込みさせてくれることが多く、高速道路などの合流地点でも同様です。

もしかしたら、運転講習に入っているのかもしれないのですが、道を譲る場合の暗黙の了解のようなものがあって、1台に道を譲れば1台のみが入り、後続車がずるずる入ってくることはありません。後ろの車も同様に1台だけに譲ります。

こうして通行量が想定内にある限り、道路はスムーズに流れています。英国の道路は、車線変更や合流が多いにもかかわらず、日本よりずっとストレスが少ないと思います。日本では、1台譲ると3台も4台もずるずると入ってきてしまいます。もたもたしていると、お前が悪いと後ろからクラクションを鳴らされたりしますので、人に道を譲ることができなかった覚えがあります。逆に、同様の理由で、合流しようとしても、中々入れてもらえず、気合で強引に割り込むしかないことも多いです。

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こんなポスターやTシャツ、マグカップなども売られています

https://www.keepcalm-o-matic.co.uk/p/keep-calm-and-be-a-gentleman-driver/



運転に限りませんが、「人に道を譲る」ということについて、英国人はたぶん子供の頃から徹底的に躾を受けてきたのだろうと感じます。マナーがめちゃくちゃな鉄道の乗客でさえで下車や乗車の時には紳士になります。

ドアの開閉・通過の場合も同様です。多くの人が、後ろの人のためにドアを支えて待ちます。自分がドアを開けて通過した後、後ろの人に配慮せず手を放すのは英国ではNGです。また、ドアのところで鉢合わせすれば、どちらかがドアを支えて道を譲り、譲られた方はお礼をいいます。

こういう習慣に慣れて、日本に帰ったある日、社員食堂の入り口で私が扉を引いたところ、まるで自動ドアでも開いたかのように、中年のオヤジ連中6人ほどがお礼も言わずに通り過ぎて行き、呆れたことがあります。エレベーターの扉などでも同様です。私の同僚たちが特に無神経なのかもしれません。しかし、私達日本人は、ドアを通るときに相手に譲ったり、ドアを手で押さえて待つというような躾は受けていないのです。

 

このあたりが、英国人との躾の違いだと思います。