先日、「50代以上の女性は対象外」なる本音、いや、問題発言で物議を醸したフランスの作家Yann Moix氏の話をご紹介しましたが、引き続き英米各紙で袋叩きにあっています。
本国フランスではどうなのかわかりませんが、英国では引き続き報道されており(かなりこきおろされています)中高年の女性は総じて憤慨した模様。
タイムズ紙の1月10日付別冊版には、Moix氏から「50代の女性に、胸やお尻の写真を送るのやめてください」との切なる訴えがでかでかと掲載されています。
そうか、私はMoix氏が若い女の子と付き合えなくなるように密かに念波でも送ってやれ!と思いましたが、英米(?)の女性は実弾射撃をしたわけですね・・すごい。
そこまで激しいリアクションが起こる背景には、いくつになっても、女性が一人では生きにくいカップル社会というものもあるのかもしれないなぁ‥と思います。例えば
次のBBCの記事
女性が一人でバーに入るだけで、売春婦と勘違いされるという内容です。
#MeTooにこういう内容を書く人が世界中にいるらしいです。
売春婦に勘違いされるかどうかはわかりませんけど、一人でバー(飲み屋だと思います)に入ったからといって、日本では売春婦扱いされることはないでしょうし、レストランも同様です。でも、こちらでは、レストラン(特に良い店)やパブなど、一人では何となく入りにくいですね。待ち合わせオーラでも発していないと物欲しげに見られかねません。一人旅の時など、昼食は外食しても、夕食はルームサービスとか売店で何か買って部屋で食べることも多いです。
こちらでは、かなり高齢で配偶者を失くした人がボーイフレンドやガールフレンドをみつけて付き合う例も少なくないのですが、そういうのもいいな・・と甘く考えていた私ですが、カップル単位で行動するのが当たり前の社会では、一人ではどこにも行かれなくなってしまう不便というのもあるのですね。欧米の女性のオーバーともいえるリアクションの背景にはこういう事情があるのかもしれません。
でも、このMoix氏、相当したたかです。だって、そもそもの発端となったMarie Claire紙とのインタビューというのは、売り出し中の最新著作の宣伝のための取材だったわけです。批判されようが顰蹙を買おうが今回の発言で世界中に、特にフランス人から見れば名前の売りにくい欧米諸国でその名前を無料で宣伝できたわけです。
ブログだってなんだってそうですが、Googleの上位に名前を載せることの難しいこと。そう考えると、最初から計算しての発言だったのかも‥とさえ思えますね。おめでたくも踊らされた、50代以上の女性の一人になってしまった。無念・・
無念といえば、夫に「フランスの男でも25歳以上じゃないと・・」と今回の話をしたら「そりゃ、そうだよ。男は皆(!)そうだ」と悪びれることもなく、実に嬉しそう。私の敵は、遠いフランスではなく、我が家の中にいたのでした。うぅぅ