毎晩、住宅街を歩いていると白人家庭と有色人種の家庭では、明かりの付け方が違うことに気がつきます。前者は、玄関灯や外壁灯以外の室内灯はせいぜい1、2部屋、それもスタンドのような薄暗い明かりだけなのに、後者は室内の家具の配置まで見えてしまうほどの明るい電灯が複数の部屋で点いています。そして、我が家に帰りつくと使っていない部屋まで電気が点きっぱなし!ぶつくさ言いながら消して回ります。
この違いはどこから来るのでしょう。日本ではあちこちに節電への協力を呼びかける張り紙をみますが英国ではあまり見た記憶がありません。だから白人が節電をがんばっているとも思えないのです。とすると、彼らが電気を点けないのは、薄暗くても十分見えるからなのだと思います。たぶん肌と同じで、白人の目は、強い光に耐えられない分、弱い光でもよく見えるんでしょう。
外国人の家庭に招かれてディナーをごちそうになったり、レストランで食事をした折、ろうそくの明かりだけで食事をすると、確かにロマンチックで素敵ですが、食べ物の色がよくわからないなぁと思います。きっと白人の目だとそれほど暗く感じないのかもしれません。
そこで思い出したのが西洋絵画に多い光と影をテーマにしたものです。美術館に行くと、特にオランダやベルギーの絵画のコーナーなど、暗い色調の絵がこれでもか、これでもか、と続くのでウンザリしてしまうのですが、薄暗い背景の中に微妙な陰影が捉えられるのが、彼らの見え方なのかもしれません。
光と影というと、↓この辺りは名画ですね。
↑ルーブル美術館にあるフランスのジョルジュ・ラ・トゥールの有名な大工の聖ヨセフ
↑こちらは英国の産業革命期の画家ジョセフ・ライトの「空気ポンプの実験」