アドベントというのは、ラテン語でクリスマスを待つ4週間のことを指します。これはドイツ語でアドベントクランツ(Adventkranz)というもので、リング状の飾りにロウソクが4つあります。最初のアドベントの日曜日に1つ目のロウソクを灯し、毎週1つずつ増やして4つ灯るとクリスマスが来るというものです。
最初に暮らした外国は別格な印象がありますが、私の場合はドイツ、特にそこで過ごしたクリスマスの印象は強烈です。
英国も同じキリスト教国ながら、クリスマスツリーを飾る習慣は19世紀になってビクトリア女王の夫であるアルバート公がドイツから持ち込んだと言われています。英国とドイツを比較すると、英国の方が商業的あるいは社交の意味合いが大きく、ドイツの方がキリスト教の宗教色が強い気がします。と言っても、私が知っているドイツのクリスマスはもう40年以上前なので半世紀の違いも大きいかもしれません。
私が過ごした1970年代のドイツのクリスマスは、多くの家で生のモミの木に本物の赤いロウソクが取り付けられ、火が灯されていました。(当然、火事が起きていたはずです)。上述のアドベントクランツにもロウソクを灯します。また、キリストが生誕した馬小屋の模型を飾ったり(お雛様のよう)、ドアの入り口にモミの束を飾ったりあれこれ飾ります。これは英国の家庭でされている家も多いようです。
今でこそ、日本でも売っているアドベントカレンダーですが、70年代のドイツには既にあって、教室の後ろにも貼ってあって、クラスの生徒が順番に開いてチョコを食べました。自分の日を楽しみにしたものです。
私が住んでいたのはデュッセルドルフというライン河沿いの商業都市です。この地方では12月6日に聖ニコラスのお祭りがあり、この日に良い子の家には聖ニコラスがお菓子を 、悪い子の家には銀の小枝で叩きに来ると言われていました。
クリスマス当日にはクリスマス男(?Weinachatsman)が来て、プレゼントをくれました。これは本当にこういう習慣なのか、うちの近所だけだったのかわかりません。プレゼントを開けた後、隣に住んでいたご一家と教会に行って歌を歌った記憶もあります。ご一家からいただいたクリスマス曲のピアノ譜は今でも持っています。
さてさて、今日は2回目の日曜日。というわけで、2本目のロウソクに火をつけました。電気を消すと雰囲気が変わりました。
飾りは自分で作りました。作り方は簡単で リング型のオアシスに赤いロウソクを4つ埋め込み、周りにモミとオーナメントを刺すだけです。赤い実とか松ぼっくりなどを適当に配します。それをスタンドから吊るしてみました。スタンドはクランツハルター(Kranzhalter)と呼ばれ、10数年前にドイツのデパートで買ったものです。見つかるかどうかわかりませんが、ご関心があれば、Kranzhalter、Staender fuer Adventkranz などの単語でお探しください。