英国に暮らして、通勤したり、仕事をしていると、日々文句ばかりです。でも、日本よりいいかなぁ・・と思うことがあります。
それは、あまり人目を気にしなくても良い点と、おばさんだからといって妙な引け目を感じなくて済む社会だという点です。
日本のウェブサイトやブログなどをみていると10代女子(特にJKと呼ばれる女子高生)が全てのヒエラルキーの最上段にあって(夫に言わせるとその上に猫がいるというのですが、それは別の機会に(笑))、「おばさん」と呼ばれる30代以上は総じてバッシングの対象。
特に嫌だなぁ‥と感じるのが、「痛い」という言葉を使って、30代以上の女性のファッションや行動範囲が狭められていることです。「痛い」と「おばさん」の2語で検索すると出るわ出るわ...
一番多く攻撃されているのが「若作り」です。Naver まとめによれば、日本では30歳過ぎたら膝がむき出しのミニスカートを履いてはいけないようです。でもこれってどうなのかなぁ‥と思います。こちらではメイ首相が60歳過ぎて、膝上丈のスカートを履きまくっていて話題になりましたけど(生足むき出しだし)、「ルールブック破りの快挙」みたいな記事は見ましたけど、でもそれで「ドン引き」「痛い」などとは言われていないと思います。
日本ではフリルの多い服もNG、髪の毛を縦に巻くのもご法度です。
「スニーカー」と「リュック」をやめた方が良いと書いているサイトもありました。「履きやすいから履く、両手が自由になるからリュックというのは、ファッションを意識しているとは言えない」のが理由。「ファッションを意識しない=おばさん」というのは、短絡的過ぎませんかね?
「40歳過ぎたら捨てるべきアイテム」にはニット帽が入っていました。「若い子がざっくりと被っていると可愛い」が「アラフォーにはカジュアルすぎて難易度が高い」のがその理由。帽子が防寒目的ではない南国の論理ですねぇ。
他にも同様のタブーが無数にあります。いったん自由な海外生活を送ってしまうと、日本のファッションルールは実に窮屈。人生100年の時代、最初の30年間は何を着てもいいけどその後の70年間はあれもダメ、これもダメってどうでしょう?「痛い」という呪いの言葉に縛られて選択肢が狭まるのはつまらないと思います。
もっとも、もしかしたら英国でも同様なタブーが多々あるのに、自分の語学力が低い、あるいは移民や様々な階級が入り乱れてわからなくなっているだけなのかもしれません。
そういえば、昔、読んだ「赤毛のアン」(カナダの小説です)の中では、赤毛の主人公が「ピンクの服が着られない」と嘆いていました。日本人には理解しにくいですが、髪の色と似合う色の原則はあるようです。男性の服にも無言のタブーみたいなものがあって、フジ色の日本の折り畳み傘を使っていたらゲイとみなされそうになったと聞いたこともあります。
そういう意味では、英国だって窮屈なのにこちらが気がついていないだけかもしれません。でも、衣類に対する年齢制限は日本より少ないように思います。
↓メイ首相のファッション(両方とも膝上丈ですが、全然痛くないと思いますけど)