帰国以来、ほぼ1日おきに母に会いに行く生活をしています。都営バスに乗ることが多いのですが、そのたびに東京は高齢者が多いなと感じます。
そこで思いだしたのが、「ピンピンコロリ」という言葉です。私がこの言葉を初めて聞いたのは2012年のことです。この年はEUが「アクティブ・エイジング年」と称して、高齢化関連のイベントを日本で行っており、その中で講演者の方が「地方自治体が掲げる目標です」と語っていたように思います。
ピンピンコロリはPPKとも省略されていますが、死ぬまでピンピンと元気で長患いせず(つまり医療費を使わず)死ぬことをさしています。講演の中で、東京都では、80代を超えたあたりから女性の大半が疾患や不定愁訴に悩まされ、PPKできる人はほぼ皆無と語っていました。一方、男性には、亡くなる寸前まで元気な人が1割位みられると語っていたように思います。
この傾向は今も変わらないようです。東京都福祉保健局が行った2015年度の調査結果は以下の通り。85歳以上の女性のなんと4割強が寝たきりになってしまうのです。その一方男性は2割強にとどまっています。
ピンピンコロリの対比語として「ネンネンコロリ(NNK)」というのがあり、これは寝たきりになった挙句、亡くなるというものです。家族の負担、介護費用などを考えるとNNKは避けたいものです。男女の寝たきり率の差の理由は明らかではありませんが、おそらく男性のほうが筋肉の量が多いからではないかと語っていたように思います。つまりPPKできる男性の多くが、亡くなる寸前までハイキングや農作業などをして筋肉を維持できているようです。
上記とは別に2017年6月に早稲田大学が発表した調査レポートでは、農業従事者は死ぬ間際まで健康でいる率が高い、つまりPPK率が高いそうです。
というわけで、私もなるべく筋肉量を維持するように努力したいと考えております。農業ほど本格的ではないですが、趣味のガーデニングをしていると、立ったりしゃがんだり土を運んだりとかなり重労働です。庭仕事のたびにスクワットを100回以上、無意識のうちにしているような感じ。
「めざせ、PPK!」をかけ言葉に英国に戻ったら庭仕事を再開することにしましょう。
以下はご関心があれば・・
冒頭の画像:世界銀行”Golden Aging: Prospects for Healthy, Active and Prosperous Aging in Europe and Central Asia”
http://www.worldbank.org/en/region/eca/publication/golden-aging
東京都福祉局の調査「平成27年度 高齢者の生活実態」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/chosa_tokei/zenbun/heisei27/27gaiyou.html
早稲田大学の調査「ピンピンコロリ! 農業者は長寿で元気! 国内初「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明 」