英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

夏時間が終わっちゃう(T_T)

英国は毎年3月最終日曜日から夏時間に入り、10月最終日曜日に冬時間(グリニッジ標準時)に戻ります。今年は今日10月27日が夏時間最後の日で、明日28日に午前1時台が2回繰り返されて冬時間となります。明日から日本との時差は9時間ですね。

 

英国では、夏時間に入った途端、夕方7時過ぎまで明るくなり、日差しの中、帰宅できるようになります。暗く陰鬱な冬が終わり、花々が一斉に咲き、庭は第2のリビングルームあるいは応接間に代わります。夏は雨も少なく、空気が乾燥しているので、夕方はとても気持ちがよく、私も夕食の支度もそこそこに庭に出て行き、日没(真夏は10時近く)まで庭仕事に励みます。

 

このさわやかで楽しい夏時間が終わるということは、寒くて陰鬱で暗くてじめじめしたシーズンの始まりを意味しています。それを裏付けるかのように今朝は気温が3度まで下がり、午前中は晴れていたものの、最高気温は8度、午後から曇ってきて雨が降りそうな気配です。うるうる・・

 

それを吹っ飛ばす目的もあるのでしょうか。11月第1週にはガイ・フォークス・ナイトというお祭りがあり、今年は先日も書きましたが、その翌週には第1位次世界大戦終結100周年のお祭りもあるそうです。

 

ガイ・フォークスというのは、1605年にロバート・ケイツビーというカトリックの地主が首謀者となって計画した国王爆殺未遂事件の火薬見張り係だそうです。事件直前に陰謀が発覚し、ガイ・フォークスが逮捕・拷問されてた結果、計画が露見、一味は当局の奇襲に会って全滅しました。ガイ・フォークス自身は、下っ端でありながら最も厳しい刑罰である首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑を宣告され、これを嫌がって首吊り台から飛び降りて死んだとされています。

 

不思議なことは未遂に終わったテロ計画が400年もの間、お祭りとして残ったことです。たぶん、1年で最も陰鬱なこの時期を明るくできるからかもしれません。お祭りは始まった当初は篝火を焚いて祝うだけだったのが、ガイ・フォークス人形を作って焼くようになり、花火を打ち上げるようにと変化したようです。今は花火が中心ですが、線香花火のようなかわいいものではなく、爆竹タイプの音ばかりがやたらと大きいものが中心で、この時期は毎晩かなりうるさくなります。犬を飼っている人は、犬がこの音にとてもおびえるそうで、この時期をとても嫌がっています。

 

話がそれてしまいましたが、日本でも夏時間の導入が議論になっているようですね。日本に夏時間を導入しても、この時期の電気代は冷房やらいろいろなことに出て行くでしょうから、メリットがあるかどうかはわかりません。日本の夏は早く暗くなってビヤガーデンとか、夕涼みを楽しみたいので、昼間が長くなってもあまりうれしくないかもしれません。残業云々という議論はナンセンスだと思いますね。残業させる企業、残業してしまう働き方の人(私も他人事ではありませんが)は、夏時間があろうがなかろうが残業させるだろうし、残業すると思います。

 

また、EUでは1万人のパブリック・コメントを受けて夏時間の廃止に向けて動き出したそうです。こちらもどうかと思いますね。英国やスイス以北の涼しく夏の日照時間が長い国では、夏時間は英国同様、節電にとどまらず色々な効果があるはずです。パブリック・コメントというのは、現状が嫌な人だけが意見を寄せるものだろうし、そうであれば、意見を寄せなかった残りの5億人のEU市民は、夏時間に不満がないということだと思うのです。パブリック・コメントを根拠にEUが夏時間廃止を決定というのは暴挙のような気がします。

 

もっとも、EUだけではないかもしれませんが、先進国は心の病の患者が多く、精神疾患関連医療費が国家の財政にさえ悪影響を及ぼしていると聞きます。夏時間への切り替えは精神疾患患者の症状を悪化させるというデータもあるようなので、その意味では夏時間を廃止するメリットはあるかもしれません。

 

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