英国の庭から

欧州調査歴25年のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

この微妙な時期に安倍首相が訪英(ブレグジット その10)

長い年末年始休会が終わり、7日から議会が再開しました。

 

先日、投票を回避したEU離脱合意案については9日(水)、10日(木)に討議、15日(火)に採決が行われる予定です

 

投票で可決される見通しは相変わらず低いです。

 

先ほど、メイ首相がBBCの日曜朝の番組「アンドリュー・マー・ショー」のインタビューで答えた様子が放映されていましたが、「自分の離脱協定でなければブレグジットは成功せず、これが否決がされれば、未知の領域に踏み込んでしまう」と繰り返すだけ。BBCのニック・アードリー政治担当編集委員によれば、「2度目の国民投票を求める人たちには、下手をするとノーディールになりますよ、ブレグジット強硬派には、2度目の国民投票をやれば、ブレグジット自体ががなくなりますよ」、と脅しているのだそうです。

 

首相としては、賛成を増やすべく、EUと引き続き交渉を行って文面の微修正をしたり、欧州各国の首脳と話し合いを行っていると述べていますが、そんな小手先の修正で議員が考えを変えるとは思えません。

 

インタビューの中で、「保守党議員たちが首相退任を求めた場合、首相の座を譲る用意があるか」との質問には、「私にブレグジットをやり遂げて欲しい」という意思を党はすでに明確にしたし、「それが私の仕事だ」と答えたのですが、「絶対に辞めたくない」という感じですね。

 

一方で、野党労働党の中も意見が割れています。コービン党首はEU離脱派ですが、最近発表された労働党員への調査で、党員の75%が第2国民投票の実施を支持という結果が出たのです。2回目の国民投票となれば、残留派が勝つ可能性があります。コービン党首は離脱派ながら、党内意見を聞かざるを得ない状況に追い込まれています。

 

今、EU離脱問題とか、メイ首相の離脱案というのは、様々な立場の人が色々な意見をもって入り乱れているのが実態。つまり、日本でいえば「憲法改正問題」のような微妙な問題だということです。だから、EUの首脳たちだってメイ首相からの電話には応じるけれども言質をとられるようなことはしないし、英国との付き合い方は非常に慎重になっています。

 

ところが、本日、FTを見ていて目が点に・・

”Shinzo Abe set to back Theresa May’s Brexit deal on UK visit”

”安倍首相がメイ首相EU離脱案の応援をするため英国に来る”

 

10日(木曜日)にわざわざやってきて、日本が首相のEU離脱合意案を支持していることを表明するそうです。

 

今、このタイミングで日本がわざわざスタンスを示す必要ってどこにあるのでしょう?

 

英国の国会議員だけでなく、国民だって、「こんな協定なら、EU離脱を考え直した方がいいんじゃないか?」って考えている合意案ですよ。「日本企業のため、ノーディールは絶対困るから」なんて理由にも何にもなりませんよ。それは英国民が自分で判断することでしょう?

 

確かにノーディールになれば日本企業も困ります。でも、それだって、投資リスクの1つでしょう?ブレグジットについて、いちいち首相や政府が乗り込んできた国って他にないです。2016年に英国に来た時も「的外れ」とさんざん、叩かれたし。

(2ページ目)英有力紙が酷評 安倍首相“英国EU残留”アドバイスの赤っ恥|日刊ゲンダイDIGITAL

 

来週の投票後、メイ首相が敗北・失脚したら、その後継の首相とうまくやっていけるのでしょうか?

こういうおぜん立てをする外務省の感覚もわかりません。安倍首相がどうしても英国にいってメイ首相を応援したいといったのでしょうか?英国側が誘ったのでしょうか?ほかに好意的な態度をとってくれる人がいないから?

 

安倍首相については、漢字も満足に読めない(「背後(せいご)」「訂正云々(ていせいでんでん)」)と、よく書かれていますが、その程度バカぶりはいいんです。国民が笑うだけなので・・でも、海外で笑いものになるのは、勘弁してほしい

 

やっと「欧米を引き合いに出して日本が優れている」と言えるようになったのに・・

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