私が住んでいるロンドン南部に大きなラベンダー農園があります。メイフィールドラベンダー農園と言う名前です。歴史はあまり古くなく、2000年代に入ってオーナーが土地をリースし、広くラベンダーを植え付け、農園として広げてきたものです。
90年代にこの近くに住んでいた時には存在せず、今回の英国生活で存在を知り、驚きつつも、地元と言うことで頻繁に訪問しています。グレーターロンドンの中にありますので、日本からの方も時間に余裕があれば訪問可能です。そろそろ今年のラベンダーのシーズンはおわりですが、ご紹介しましょう。
メイフィールドラベンダー農園へは鉄道&バスまたは車で
行き方ですが、ロンドン市内からですと、鉄道でビクトリア駅またはロンドンブリッジ駅からWest Croydonまでいき、バス166に乗るか、SuttonからバスS1に乗りBansteadで166に乗り換えます。166はMayfield Lavender という名前のバス停がラベンダー農園の目の前にあります。いずれも道が混むと時間がかかります。そうですね。車でないとちょっと不便かもしれません。車でも、土日には周辺道路が混みあいますので、可能であれば平日の午前中がお勧めです。
Mayfield Lavender | Organic Lavender Growers on the Surrey Downs
営業時間:毎年6月1日~8月31日 9時~18時
場所:1 Carshalton Rd, Banstead SM7 3JA
入場料:大人一人2.5ポンド(と書かれているのですが、車1台で2.5ポンドしか払ったことがありません。徒歩で行くと一人ずつ入場料を徴収されるのかもしれません)
丘の向こうまで広がるラベンダー畑
このラベンダー畑ですが、朝一番(開園時刻)がやはり素晴らしいです。朝靄のおかげでラベンダーの香りが立ちあがるのです。ひんやりした朝の空気にラベンダーの香りが絶妙。
また、すでに中国系の旅行会社が目をつけてしまったらしく、10時過ぎ辺りから中国語を貼り付けたバスが次々にやってくるので、その方々が来る前に楽しむというのも大きなポイントです。
ラベンダー畑については、説明より景色をお楽しみいただく方が良いので、今回は写真をいっぱい貼り付けることにします。(ページが重くてごめんなさい)
植えられているラベンダーは主に3種類だそうです。アングスティフォリア系、あるいはイングリッシュラベンダーと呼ばれる種類のFolgate と Mailletteが中心です。いずれも香りが強くて暑さには比較的弱いのが特徴です。
また、ラバンディン系のGrossoも植えられているとのことです。ラバンディン系はアングスティフォリアとスパイクラベンダーのハイブリッドで暑さにも寒さにも強く、プロヴァンスや富良野で主に植えられているものだそうです。
ところで、私は日本では富良野ラベンダー、先日はプロヴァンスの有名な僧院にもいきましたが、いずれも遠くから見ると紫色なのに、近くに行くと土の部分が多いな・・というのが印象でした。これは夏の暑さに耐えられるよう通気をよくすることと、ラバンディン種が1メートル四方に広がるので、間隔を広く植えつけるせいです。
その一方、ここは夏もひんやりと涼しく通気を余り重視しないこと、イングリッシュラベンダーは大きさもラバンディン種ほど育たないことから、密植されています。朝露のある時間帯に間を歩くだけでパンツの膝から下がラベンダーの露をもらってびしょぬれになってしまうほどです。
メイフィールド農園では6月初めから8月末まで楽しめるように、それぞれの特徴を活かしながら、また花期をずらして植え込まれています。丘の奥の方がより遅いシーズンの畑です。
アップにしてみましょう。
メドウ(野生の花の草むら)の一角も今年から登場
今年から端の一角にメドウの種をまいたようで、ラベンダーとは一味違った色合いのメドウが出来上がっていました。ポピー、ヤグルマソウ、アザミなどです。先日の BBCのガーデナーズワールド(2019年第18回)でも特集されていましたが、メドウ回復の取り組みがあちこちで進められているのです。
ラベンダー尽くしのお土産コーナーも充実
入口に近い一角にお茶をしたりアイスクリームが座って食べられるカフェコーナーもあります。また、お土産物屋さんはラベンダー製品、エッセンシャルオイル、ドライフラワー、ジャム、ゼリー、石鹸、クリームなどなど。しかも安いです。ラベンダーの苗も安い値段で売っていて、Folgate 、 Maillette、Grossoのほか、Hidcote, Munstead, Peter Pan、Melissa lilacなども売っていました。
農園の中にはなぜか電話ボックス、ニューヨークや日本の方向を示す表示もあります。