これまで2回、イギリス英語でe-mailを書く場合に使う表現をご紹介しました。
先日書きそびれてしまいましたが、ここでご紹介しているのは、かなりきちんとしたフォーマル、あるいはビジネス用e-mailの書き方です。
家族や恋人、友人同士のメールは当然のことながら、もっとずっとくだけた表現になります。また、ビジネス上の付き合いであっても、2回目以降は、Dear Mr.苗字で呼ぶことはなくなり、表現もくだけて行きます。
とは言うものの、英国人は、特にインテリほど、婉曲で回りくどい表現が好きな感じがします。そして、ここにご紹介するようなPolite(丁寧な、礼儀正しい)な表現を使いこなすことが大人に求められるような気がします。また、日本人の場合、人にもよりますけど、若干丁寧過ぎるくらいで良いような気がします。
今日の目次は次の通りです。
e-mailは簡潔かつ丁寧な言い回しで
e-mailの位置付けは日本とあまり変わりないように思います。e-mailは、この四半世紀の間に急速に普及し、今や隣の席に座っている人からの業務連絡だってe-mailを使う時代です。企業の役職者となれば1日数十本、数百本のメールを受信し、その大半に目を通さずスルーしているということもよく聞く話です。日本でも、IT分野など先進的な企業はアプリを使いこなして、膨大なメール問題に対処しているようですが、まだまだ世界はそこまで進んでいないと思います。
そういうわけで、英国でも日本と変わりなく、全体を短めに、簡潔でわかり易いように、タイトルだけで内容が分かる、といったことの重要性が強調されています。しかし、その一方で、電話同様に、顔が見えないことで、摩擦や誤解が生じやすいとして、丁寧で直接的すぎない言い回しを使うことが肝要だと多くのマニュアルに書かれています。
実際に働いてみて、英国のビジネス社会は、まだまだ古い体質だと感じます。未だに電話が幅を利かせていて、初めての相手など、いきなりメールを送っても、見てもらえないことが多いです。相手に電話して、「電話送ったから見てね」と言わなければ、返事がこないことがしょっちゅうです。
役所相手だとさらに古くて(日本も同様ですけど)、まだ、手紙です。特に税務当局(歳入関税庁HMRC)には、手紙を書かないとダメだし、その手紙への返事が来るまでに何週間もかかると言われています。さすがに古すぎるというので、これからオンライン照会窓口を作ると発表があったばかりです。
シチュエーションごとに使い分ける丁重な依頼の表現
というわけで、今日は丁重に何かを依頼する表現をご紹介しましょう。これはe-mailはもちろん、普通の会話でも使います。
1.純粋にお願いしてやってもらう (相手にそれをする義務がない場合)
I was wondering if you could…
I wonderよりI was wonderingの方が丁寧。
I was hoping you could…
上と同じでI hopeよりも丁寧。
Do you think you might be able to…?
↓こんな感じです。「お願いがあるのですが」という意味です。
I was wondering if you could do me a favour?
2. 相手にそれをする義務があって、依頼する場合(上司が部下に仕事を指示する場合など)
Can you…please?
Could you…please? (Canより丁寧)
Would you mind…ing? (Couldより丁寧)
日本人の感覚で言うと、上司が部下に何かを頼む場合、Please +動詞で良いかと思いますが、英国のウェブサイト等をみていると、それでは乱暴だと感じる人もかなりいるようです。日本人駐在員の方など要注意ですね。
3. 許可をもらう場合(休暇をとりたい、何かを借りたいなど)
I was hoping I could…
I was wondering if I could…
Would it be okay if I…?
Do you think I might be able to…?
ではでは・・!