英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

世界遺産アイアンブリッジに行く

 

気晴らしに北へ

11月2日(土曜日)、娘が4年7カ月の英国生活を終えて日本に帰国しました。毎日、娘とたわいないことをあれこれおしゃべりしていたので、とても寂しいです。

しかも! 娘が帰国した翌日、夫は「パリでコンサートの予約したから、朝早く出かける」というのです。その翌日から出張があったのですが、朝早くのアポがとれたそうで、前夜からパリに入るのなら、せっかくだから朝早くから行って、夕方にはコンサートに行く由。私には事前に相談もなく、もちろんお誘いもなし。

えー私は一人ぼっちぃ?しかもその日は結婚記念日だったのです。ムカ!

天気予報を見ると、土曜日から1週間ずっと雨の予報。庭仕事もできないしぃ。

しかし、家にいて一人くよくよするのは、私の性分ではないので、急にどこかに旅行に行きたくなりました。もしかしたらオランダに行っても、こんな日がありそう。だからオランダから行き易いところは避けて、英国内で行ったことがない場所に行くことにしました。

そうそう、そういえば、私の長年の憧れのコリン・ファースの出世作1995年版BBC「高慢と偏見」のロケを行った「ライム・パーク」にまだ行ったことがなかった。これは、ぜひ行っておかねば。ライム・パークとはナショナルトラストの施設でマンチェスターの南、ピーク・ディストリクト(Peak District)国立公園の北端にあるのです。

日本で言えば、関東に住む私が京都のお寺を見に行くようなイメージ。そのまま日帰りするにはきついし、かなりもったいない。

どうせ行くなら2泊3日で、ピーク・ディストリクトを見てこようと思い、同僚を誘ったところ、同行してくれるというので出かけてきました。というわけで何回かに分けて、今回は最初の訪問先、シュロップシャーにあるアイアンブリッジをご紹介します。 

世界最古の鉄橋「アイアンブリッジ」へ

さて、ヒースロー空港で15時半過ぎに娘を見送り、夫には空港から鉄道で帰宅してもらい、同僚と待ち合わせして、長い運転が始まりました。あいにくの大雨で4時間強運転したところ、夜8時過ぎ、シュロップシャーのブリッジノース(Bridgenorth)の宿The Down Innに到着しました。

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初日の行程。ロンドンからBridgenorthまで193マイル(約310km)

そこから車で15分ほどのところ、シュロップシャーのテルフォードという街の近くに世界最古の鋳鉄で作られた橋がアイアンブリッジです。本当の名前はコールブルックデール橋というのだそうですが、その名前はあまり知られていません。この日の朝は、前線にもかかわらず快晴(なぜか天気運が非常に良い私です)でした。セバーン川の小峡谷(英語でgorgeといいます)に1779年にかけられた橋で、ユネスコの世界遺産に認定されています。

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天気が良いでしょう?前日の大雨が嘘のように晴れていました。小峡谷はすっかり秋で、木々の葉が色づき始めていました。橋から少し離れた小峡谷博物館の駐車場に車を停めて端までセバーン川沿いを歩いていきました。 

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橋の入り口に建立200周年を記念して作られたプレートがかけられていました。

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上の写真の右側は、小峡谷博物館の建物です。産業革命の時代、このようなレンガの建物が沢山作られたようです。

近くにテルフォードという日本企業も多く進出している町があり、そこからバス(約30分)を使うのがよさそうです。テルフォード行の電車はロンドン・ユーストン駅から出ており、直通はあまり数がない(あるいはほとんどない)のでバーミンガムで乗り換えます。他にシュルーズベリーに行ってバスに乗るという方法もあるようです。

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橋から見た景色。左が西側、右が東側の景色。

なぜ、この場所に世界最古の鉄橋がかけられたかというと、橋のたもとに広がる町コールブルックにアブラハム(あるいはエイブラハム)・ダービーという人がいて、大きな製鋼所を作り、それが大成功したからです。つまり、ここが産業革命発祥の地。鉄工所が路や機関車、建設資材用の鉄を作り、それを運ぶために橋が必要だったわけ。

セバーン川の小渓谷沿いには当時の製鉄所の跡や、様々な施設が残っています。それだけを数日掛けて訪ねて回る人もいるそう。

ちなみにこの近くでバラ園を営んだデービッド・オースチンはこのアブラハム・ダービーの名をとったオレンジがかったピンクの素晴らしいバラを作り出したのです。しかし、昨年廃番になってしまいました(うるうる)。

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日本の家に咲いていたアブラハム・ダービー

前の晩のホテルは、食事自慢のイン

さて、前の晩に泊まったホテルですが、元々一人旅のつもりだったので、バーミンガム辺りまで行くのがやっとだろうと思い、そのあたりで、比較的安くて、シングルもしくはダブルルーム(朝食付き)で、と思って探したら1泊朝食込みで63£で良さそうな宿がみつかりました。名前はThe Down Inn。インというのは食事をメインとした宿です。

到着してみると8時過ぎ。入り口を入るとパブになっていて、地元風の人でいっぱいでした。これは期待が持てそう、ということでここで食事をすることにして、部屋へ通されてみると、予想以上に広く、お風呂付。

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夕食はカーバリーというローストミートと付け合わせ野菜のバイキングスタイルと、アラカルトがありました。私はアラカルトの揚げ鶏のクリームソース味のものにしたのですが、ちょっと甘すぎだったかな。同僚はカーバリーでこちらの方が無難だったみたいです。

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朝食もなかなかかわいい雰囲気で、ポーチドエッグを注文しました。

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https://thedowninn.co.uk/

ブリッジノースの町もかわいくて

朝食の後、同僚が買物をしたいというので、宿の近くのブリッジノースの町を通ってから目的地のアイアンブリッジに行きました。田舎のせいか、日曜日なのに朝早くから店がやっていて、街の中心部にあるシティホールでは市場の準備の最中でした。

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シティーホール

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というわけで、今日は2日目の朝の様子などお伝えしました。次回はデービッド・オースチンの薔薇園訪問について報告します。