英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

EU離脱対策で大もうけしたのは、あのコンサル会社(ブレグジット その34)

フラワーショウやBBCの庭番組など、庭関連で報告したいネタが山ほどあるのですが、ブレグジット関連の支出に関するスクープがありましたので、ご紹介します。

 

英国政府はコンサルタント会社に9,700万ポンドを支出

ガーディアン紙が5月29日付でスクープ報道したところによると、英国政府は2016年6月の国民投票から今年4月までに、ブレグジットに関するコンサルタント費用として、9,700万ポンドを支出したそうです。今、円高とポンド安が同時に進行していますので今日のレートだと133億円、実際の感覚的には150億円以上になります。

この数字は英国会計検査院が作成中の資料に記載されているそうで、9,700万ポンドのうち、2018年4月から2019年4月までの1年間に6,500万ポンドが支出されたそうです(だいたい100億円位のイメージ)。主な担当省は、内閣府、内務省、国境管理関連サービス、環境・食糧・農村地域省などで、いずれも、内閣府が結んだ契約を通じてコンサルタント業務を委託しているようです。

ガーディアン紙によれば、これらの支出は今後も続き、2020年までにさらにこの倍以上、2億4,000万ポンドがコンサルタント料として支払われる予定だそうです。 

支払先は大手6社に集中

 問題はその支払先の96%が4大会計事務所を含む6つの大手コンサルタント会社に集中しているということです。1社あたり15億円以上です。インフラ工事並みのお値段。日本で、●●総研などにレポートの作成を頼んで、1社15億円払うとなったら、国民は呆れかえるでしょう。でも、さすがリーガルサービス大国の英国、金額の高さではなく、業者選択の透明性の点で問題があると批判が出ているようです。

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Guardian紙5月29日付をもとに作成

コンサルタント料の多くは、合意なき離脱の場合のガイダンスという、10月以降、毎日のようにメール配信されてきた各分野についての対策レポート作成に使われたようです。100本位作成されたとして、1本あたり1億円?そこまで価値があるレポートかなぁ‥英語ができれば、私でも作れる程度かな?と思うものも結構ありましたけど。

 

夫と二人で共稼ぎして納税している身としては、正直不愉快。こんな税金の使い方をするなら、NHSの待ち時間を短くするとか、道路の穴ぼこを埋める対策に回して欲しい感じ。私がこう感じるくらいなんだから、多くの国民が感じていることでしょう。

 

政党支持に関する世論調査で残留支持の自由民主党が首位に

折しも5月31日付のザ・タイムズ紙には、5月28日-29日にかけて世論調査会社YouGovと共同で行った政党支持調査が掲載されていました。EU残留を一貫して訴える自由民主党が保守党や労働党、ブレグジット党を抑えて首位になったというものです。

私も選挙権があれば、自由民主党に入れたいですねぇ。

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The Times/YouGov 19年5月27・28日調査

さて、今日の漫画は、悪名高い「英国はEUに毎週3億5,000万ポンドを送っている。その分をNHSにまわそう」と書かれたバス型アトラクションに乗っている保守党次期党首の最有力候補、ボリス・ジョンソン氏です。その後ろにいるのは6月3日~5日に国賓として英国を訪問する予定のトランプ米大統領。彼は英国でジョンソン氏とナイジェル・ファラージ氏に会いたいそうです。左側にいるのは女王陛下。ゴミ箱に入っているのは(ヒョウ柄の靴がみえるので)メイ首相のようです。

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Ben Jennings画。https://twitter.com/Cartoon4saleより