英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

3月17日はセント・パトリック・デー

今日、3月17日は、セント・パトリック・デーです。朝、起きて英国のGoogleを開いたところ、次のようなロゴになっていました。

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ちなみに、今日は私の誕生日。だから、次にGoogleを開いたら↓のロゴに変わっていました。もうこの年になると、誕生日だからといって、お祝いやパーティーをする気分でもなく、地味に過ごすので、放っておいてよ・・という気もしますが。

 

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さてさて、そうは言うものの、かねがね、なぜ3月17日は「聖パトリックの日」と呼ばれるのか、この人は一体何者なのか、どうして欧米の人はこの日を祝うのか、不思議に思っていたので調べてみました。

 

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アイルランド・タラの丘にある聖パトリック像 by Wikimedia Commons

聖パトリックはローマ支配下の4世紀後半(一説には385年~461年)に英国に生まれ、アイルランドに最初にキリスト教を伝道した人です。3月17日はその命日だそう。名前、生没年、いずれも正確な記録はなく、諸説あります。

 

聖パトリックはケルト系で生まれた場所はウェールズまたはスコットランドにあった村Banna Vemta Burniae。本名はMaewyn Succatといい、16歳の時に、海賊にさらわれてアイルランドに連行され羊飼いとして6年間過ごしました。この間に信仰にめざめた模様。アイルランドを脱出して故郷に戻った後、フランスのブルゴーニュ地方の都市オクセールに行って聖ジェルマン大司教の薫陶を受け、僧としての修行を積み、アイルランドでのキリスト教の伝道者になったようです。

 

聖パトリックはアイルランドの初代の大司教となり、40年間にわたってアイルランド中を回って布教に努めたそうです。そして120歳でアイルランドのSaul, Downpatrickで亡くなったそうです。当時としては、ずいぶん長生き。しかし、殉教したわけでもないし、どこかの国にキリスト教を伝道しただけで聖人になれるなら、もっと多くの人が聖人になれますよね?

 

奇跡を起こしたかどうかもわかりません。アイルランドから蛇を駆逐したといわれています。でも、もともとアイルランドには蛇は生息していなかったという説もあります。

 

聖パトリックが列聖されたのは17世紀のこと。これはカトリック教徒とプロテスタント教徒との間で戦争が続き、イングランドがアイルランドを支配下に置こうとしていた時期です。アイルランドのカトリック勢力を加勢するため、ローマ法王庁やカトリック諸国がそうしたのかなぁ、と思います。また、18世紀にアイルランドの独立の象徴だった緑色が聖パトリックの象徴とされたりと、政治的なものが背景にあるようです。

 

聖パトリックが異教徒だったアイルランド人に初めてキリスト教の三位一体説を説明するのに、アイルランドの野山に大量に生えているクローバーを使ったことから、クローバーが象徴となっています。

 

さて、このセント・パトリック・デー、アイルランド国内だけでなく、世界中で祝われています。これはそれだけ、アイルランドから人々が多くの国に移民した証です。英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。

 

英首相官邸もおめでとうとツィートしています。

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3月17日は、毎年イースター前のレント(断食)の時期の中間になることが多く、多くのキリスト教徒がこの時期にアルコール断ちをしたり、甘いもの断ちをしているのですが、この日だけは、聖パトリックの祝日なので自由に祭りを楽しんで良いということになっているようです。春の到来を祝う意味もあり、盛大にお祝いされているのでしょう。

 

お祝いの仕方ですが、緑の服を着たり、クローバーを飾って、町を歩いてパレードしたりと、カーニバルに近いお祭りになっています。ロンドンでも、アイルランド系の人がトラファルガースクウェアに緑の服を着て集まったり、ギネス・ビールを飲んで祝うそうです。

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ダブリンでセント・パトリック・デーを祝う人々 by Wikimedia Commons

 

また、アイルランド政府はセント・パトリック・デーに、政府の閣僚を海外に派遣して、アイルランド文化の普及を図る活動をしています。アイルランドの友好の絆を象徴する意味で、毎年、アイルランド首相から米国大統領にアイルランド製の高級ガラス器、ウォーターフォードクリスタルの鉢一杯にクローバーを入れて贈ったりしているそうです。

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2018年9月12日付 アイルランド「ザ・ジャーナル」紙より

 

季節の祝い事が大好きな日本人・・そのうちセント・パトリック・デーも祝うようになるかもしれませんねぇ。(全く日本文化とはそぐわない感じのエピソードですけど)

 

私はパトリック・ブリュエル・デーにする予定。