英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

救急外来で3時間待ち

今週もようやく金曜日。先週末のパリの旅が大変だったせいか、毎晩、ブレグジットのニュースを見ていたせいか、朝起きるのが辛い日々が続いていたので、「やっと週末だぁ」と今朝は実にうれしかったのです。

 

ところが、職場で席について、メールをチェックしつつ、パリで買ったマラケシュミントティーをすすっていたら娘の学校の保健室(メディカルセンター)のナースから電話📞。

 

朝から体調イマイチだった娘が「具合が悪い」と訴えているそうで、目の周りに発疹、頭痛、吐き気、腹痛、腰痛、下肢の痛みといった症状を訴えている。これは「無菌性髄膜炎(meningitis)」の症状に近いため、仮にそうだったら一刻も早く、かかりつけ医(GP)、または地元の救急外来に連れて行くようにとの内容でした。

 

あら--大変。「一刻も早く」と言われたことと、以前、主人の上司の奥さんが「無菌性髄膜炎」で危篤になったことがあったのを思い出し(幸い治癒されました)、怖くなって、帰宅しました。GPに電話したところ、こういう状況には全く対応していないようで、救急外来に行くよう勧められました。

 

↓でこちらが地元大学病院の救急外来です。英国政府の国民保健サービス(NHS)によって運営されています。

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ちなみに英国では、日本の119番に相当するものは999です。999して良いのは「命の危険がある場合」だけです。それ以外の、救急外来に行くべきかどうか迷うような場合、111に電話すると、必要と判断されたら救急外来(A&E)にアポイントをとってくれるらしいです。

 

今回は、GPに言われたので、そのまま救急外来へ連れて行きました。到着後、すぐに登録手続きをして、体温と血圧を測って、あとはひたすら待つだけ。待合室には70人程待っていました。朝からの人が多いのか、14時過ぎ頃から人数がどんどん減りました。

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15時半頃でかなり人が減った後の様子です。

 待合室に面してUrgent Treatment Centre、Triageと書かれた2つの部屋があります。Triage(トリアージ)というのは、患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別するという意味です。災害やテロなどで、大人数が運び込まれたりしたら、ここで優先度が決められるのかもしれません。今回は、そのような作業はなかったようですが、最初の登録の段階で選別されたのかもしれません。

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NHSの待ち時間が長さは常に批判の対象となっており、骨折患者が一晩まったく治療を受けることがないまま、翌朝まで廊下に放置されたといった話がかつては頻繁に新聞に掲載されていました。NHSとしても、かなり努力しているようですが、あまり改善していないようです。

 

NHS(イングランド)の2018年4月の統計によると、救急車でA&Eに運び込まれた患者が診察までにかかった平均時間は8分、95%の患者が104分以内に診察されたそうです。つまり残りの5%は救急車で運び込まれたのに、104分以上放置されたということです。自分だったら死にそうですね。

 

また、A&Eにきて入院措置とならなかった患者の全体の所要時間の平均は129分(2時間9分)で、95%の患者が336分(5時間36分)以内に終了しているそうです。

 

そういう状況なので、「仕方ない、軽症だと判断された証だ」と慰めて、じっと待ちました(おなかすいたけど)。

 

そうして娘と一緒に待つこと3時間、ようやく名前を呼ばれ、Urgent Treatment Centreに入り、女医さんによる診察を受けました。

 

当初、危惧された無菌性髄膜炎ですが、「症状は似ているが熱がない、うつむくことができる(この病気の特徴は首の後ろが硬直してうつむけなくなるそうです)」の2点から「無菌性髄膜炎ではない、大丈夫でしょう」と、わかりやすく説明してくれました。

 

念のため、帰る前に尿検査をしましょうということになり検査容器を渡されて・・

 

そこで、またまた娘と困惑しちゃったのですが、尿検査の容器が巨大!直径12cm位、500ml入りのプラスチックの透明のボウルなんです。日本の大病院だと、尿検査のトイレ(個室)には小窓があって、外に検体を出さなくても提出できます。しかも、看護婦さんから、「コップ半分位あれば十分ですよ」とか(病気によってはもっと多いかもしれませんが)指示されますけど、500mlの容器に「たっぷりしてきて!」と言われちゃうものだから、もう大変。

 

しかも、検体入りの容器を、何十人もの人が退屈しながら待っている待合室を通って、ナースセンターに運んでいかなくてはいけないのです。「恥ずかしい。こぼしそう」と娘が呻くのが妙におかしい。英国で検査したことのある夫によると、男性用はふつうのコップらしいです。ということは女性だけこのサイズ???さらに赤面。でも娘によると持ち運びの問題がなければ、中間尿をとれと指示されることもなく、手にかかることもなく、使い易かった模様。

 

ともあれ、検査が終わり、特に心配することもなかったようで、帰宅して様子見となりました。やれやれ・・帰宅したらどっと疲れて昼寝してしまいました(なので今は元気を回復しブログを書いているところ)。

 

きちんと対応してくれたし、施設は新しくきれいだったし、先生はとても親切でした。しかも、今日の診察代は無料。英国民がNHSのサービスを愛してやまないし、これこそがBrexitの最大の理由の1つだというのも理解できます。(EUへの拠出金をNHSに回すというのが離脱派のキャンペーンの目玉だったので)。

 

本当に待ち時間の長さだけがネック。3時間待ちというのは患者にとって苦痛以外の何物でもないですよね。

 

救急センターの玄関の前には、待っている家族(だけじゃなくて、患者も点滴台を引きずって出てきていました)が、吸ったタバコの殻がちらばっていました。

 

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派手な車は救急車です。多いときは6台くらい停車していました。