英国の庭から~海外生活ブログです

欧州調査歴25年以上のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

欧州で小包を受け取るときはVATに注意!

海外に住んでいると、日本食や文房具などを日本から送ってもらうことがよくあります。毎回ではないけれど、たまに高額な税金を請求されて驚いたという話もよく聞きます。先日、Amazon.jpで炊飯器を1万円で購入し、英国まで船便で送ってもらったところ、郵便局から37.39ポンド(約5,000円)の税金の請求書が届きました。

 

1万円の商品に5,000円の税金!

 

いったいどういう仕組みで、こうなるのか調べましたのでご紹介します。

 

英国のケースで説明していますが、EUでは、加盟国のVAT課税ルール、域外国からの輸入通関ルールは原則として共通ですので、他のEU加盟国でも同様のルールがあります。これまで、課税されないで済んだ方は運が良かった、あるいは郵便局、クーリエが杜撰だったとお考え下さい。

 

さて、話を元に戻すと夏頃、英国仕様の日立の電気炊飯器がAmazon.jpで1万円と安かったので注文し、日本にいる息子の家に配送し、息子に郵便局から船便で送ってもらいました。

 

それから2カ月近く経った11月下旬、英国のロイヤルメール(郵便局)から通知が来ました。「日本からの荷物を預かっている。37.39ポンドを2週間以内に払えば、入金確認後2日以内に届ける」という内容です。

 

そう、英国では、海外から個人が輸入した品物に対する付加価値税VAT)や関税の徴収を郵便局やクーリエが代行しているのです。

 

長男は送り状に品物を「贈答品」、価格を「1万円」と記入して送ってきました。「たった1万円の製品に対し37.39ポンド(5,000円強)の関税?高すぎる」と思って、確認してみるとこういう計算でした。

VAT 26.14ポンド (VATは日本の消費税とほぼ同じものです)

郵便局の手数料 11.25ポンド

 

英国のVAT標準税率は20%ですので、1万円(約70ポンド)の20%は14ポンドとなるはずです。VATだとしても高すぎる、なんでこんなに高いのだろうと思って調べたら、送料も製品の価格の一部と考えなくてはいけないのです。つまり、英国で輸入品を買っている人と同様に扱わないと、英国でVATを払っている人と不公平になるという考え方ですね。だから、(製品の価格+輸送費)× 標準VAT税率20%となるのです。

 

船便と言っても炊飯器は3.6kgと重く、箱も大きかったので、8,450円も送料がかかっていました(息子よ。ありがとう)。全体では1万8,450円の製品ということになります。それをポンドに換算すると当時で約130ポンドほどとなり、その約20%、26ポンドのVATとなったというわけです。

 

送料の他、送る時に紛失や破損に備えて保険をかけていたり、梱包に費用がかかれば、それも価格に上乗せされます。


ギフトは免税じゃないの?と不思議に思われた方、ギフトの免税対象額には上限があるのです。


VAT非課税となるのは以下の条件の場合です。
ギフトの場合、39ポンド以下
ギフト以外の場合、15ポンド以下
ただし、アルコール、香水は免税なし。

調べてみたところ、ドイツではギフトは45ユーロ、ギフト以外は22ユーロが上限のようです。ドイツ語以外は読めませんが、陸続きの他の大陸諸国でも似たような金額と思われます。

 

というわけで

日本から欧州の家族や知人にギフトを送る場合は、できれば、ギフトの総額を3,000円程度に抑えることが大事です。せっかくプレゼントしても、相手が余計な支出をすることになるとせっかくの気持ちが台無しになります。航空便などの送料ってたいてい2,000円位しますから3,000円以上のギフトを送るとすぐに、上記のVAT非課税額を超えてしまいます。もし、超えそうな場合は、申告書に書き込む金額を控え目(あるいは空欄)にすること。また、英国の家には表札がなく、番地や屋号しかありません。近所の違う番地の家に投げ込んでそのままということが頻繁にありますので、なるべく書留にするほうが良いと思います。

 

このほか、VATに加えて関税がかかることもあります。

関税がどのような場合にかかるかというと
135ポンド以下は非課税(ドイツでは150ユーロ)
135ポンド超~630ポンド以下のギフト  税率は2.5% (150~700ユーロ)
630ポンド超のギフト、135ポンド超の贈答以外の品 品目によって関税率が異なる。

ただし、関税については2月1日に日EUEPAが発効すると日本からの多くの製品が非課税となりますが、その場合、どのような書類が必要かはまだわかりません。

また、上記のVAT、関税とは別に、EU域外からアルコール、タバコ、コーヒー、紅茶、香水などを送ると物品税もかかるので要注意です。

 

郵便局や税関などから提示された課税額に不服があれば、裏付け書類を提出して交渉することもできます。炊飯器のときは、諦めて支払いました。また、英国の郵便局は、支払い期限に遅れると追加の預り料をとるそうです。

 

ということで教訓としては、EU域内在住の人が、EU域外からオンラインなどで購入する場合は、小分けにして注文し、送料を含めてVAT課税額未満に抑える。(大口注文するとVATを超える割引などがある場合は、得な方で注文する)

 

日本から家族に何かを送ってもらう場合は、上記をきちんと説明する。

 

1万円の炊飯器でさえ、送料、VATを含めると170ポンド払った訳です。もし自分で何かの商品を日本から英国に輸出して販売するとなると、さらに関税、人件費、店舗関連の費用(ネット販売なら倉庫代など)、商流開拓コスト、売れ残りリスクなどを加算しないといけません。日本食品がこちらで3〜4倍もする理由が良くわかりました。

 

この話を思い出すきっかけをくださった本気猫さん、ありがとうございました。

 

税金に関する英国政府のページ

https://www.gov.uk/goods-sent-from-abroad/tax-and-duty

 

以下はさらに詳細ページ

https://www.gov.uk/government/publications/notice-143-a-guide-for-international-post-users/notice-143-a-guide-for-international-post-users

 

郵便局の手数料に関する説明

https://www.parcelforce.com/help-and-advice/receiving/why-do-parcelforce-worldwide-charge-customs-clearance-fees

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