今日12月26日は、英国ではボクシングデーと呼ばれる休日です。ボクシングといっても拳闘をする日ではありません。
言葉の由来は諸説ありますが、一番有力なのは、定休日がなかった奉公人が年1回、クリスマスの翌日だけお休みをもらって実家に帰って良い日として、クリスマス料理などの残り物や小さなプレゼントなどを箱に詰めてもらって、持ち帰ったので箱(Box)に入れる日となったというものです。ビクトリア時代になって、奉公人に対して多少配慮するようになり、始まった慣習のようですが、もちろん、そういう余裕のある家に限られていたと思います。
他にクリスマスの日に募金を集めるための箱が教会に置かれて、翌日開けられた、という説や、長い航海に出る船が旅の無事を祈って、貧しい人のためにお金やプレゼントを詰めた箱を教会に預けて出発し、クリスマスの翌日に開ける習慣があったという説もあります。
この日は、祝日で、サラリーマンの多くは休みです。しかし、小売店に勤める方々にはこのお休みもありません。というのは、24日までに売れなかったギフト用品を少しでも早く減らしてしまいたいということで、26日からSALEが始まるからです。これに対して、小売業に勤める人々からボクシングデー位、他の人同様にお休みが欲しいという請願(15万人が署名)が議会に提出されています。
クリスマスやボクシングデーは日本の三が日みたいなものですから、気持はよくわかります。
さて、そのセールですがだいたい定価の3~5割は安くなるみたいです。多くの人が、町の中心部にバーゲンハンティングに出かけるわけですが、このところ毎年、ロンドンでは25~26日にかけて、鉄道の大幅な工事が行われています。今年も同様で、ロンドンに出かけるのは大変そうです。
オンライン販売などでは24日の夕方からセールが始まっています。そういう意味ではネット関係の方も休みがないのでしょう。
私のところにもチャールズ皇太子の私邸、ハイグローブからボクシングデーのセールのご案内が来ました。一度庭園見学に行ってから、良くここから案内がきます。
Highgrove Special Offers | Upto 50% OFF
そうそう、ハンティングといえばもうひとつ、ボクシングデーには各地でキツネ狩りが行われることが恒例となっています。気の毒なキツネにとっては受難の日です。そうでなくても、寒くてひもじい時期なのに。猟犬に追い回された挙句、殺されるのです。毎年反対派から犠牲となったキツネの写真が投稿されて、それを見るだけで悲しくなります。
イングランドとウェールズの住民の84%がキツネ狩りには反対と言われていますが、いまだに貴族階級などに根強いファンがいて、選挙での争点ともなっています。まあ、捕鯨と同じで文化・伝統の保持が重要ということなのかもしれませんが・・
ちなみにキツネ狩りを擁護する政治家としてはメイ首相、キャメロン前首相などが挙げられています。この点だけとってもこの二人、私は大嫌いです。ブレグジットの話とキツネ狩りは関係ないとはいっても、もしかしたらこの先、ブレグジットの話を書くときに嫌悪感が出ちゃうかもしれません。不愉快に感じたらごめんなさい。
次のURLには賛成派反対派の名前が出ています。ご関心があれば。Queenのブライアン・メイはキツネ狩り反対版の急先鋒です。元々大好きだったQueenですが、さらに好きになっちゃいました。