イングリッシュ・ローズの生みの親であるバラ育種家、デヴィッド・C・H・オースティン 氏が12月18日に92歳で亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。(この写真はデービッドオースチンローズ社のカタログから拝借したものです。)
晩年のオースティン氏ですが、今年の2月に事務所に連絡を取る機会があり、その際、事務所の方から伺ったお話によると、「企業活動はいまだにオースティン氏が把握しているのよ」のことでした。とはいえ、「世界中に旅行ばかりしているので、実に忙しいの」とも説明されていました。
同氏が設立されたビジネスは同名の長男と勤務20年の財務担当の番頭さんが立派に継承しており、外部からも各分野の優秀な幹部が入っているので、実業からはある程度、身を引かれていたと思います。でも、こういった個人の方のカリスマ性に負う企業の場合、何年かして大資本に売却されたり、経営方針が変わったり、消費者にとってはあまり芳しくない変化がおこりがちですよね。そうならないように祈るばかりです。
オースティン氏の功績は、オールドローズ特有の上品で風情のある形状や香りをもちながら、モダンローズの持つ多彩な色合い(オールドローズには白、ピンク、紅色ぐらいしかバリエーションがありません)、返り咲き性、耐病性、強健性を兼ね備えたバラを生み出したことです。1963年に発表された最初のバラConstance Spry(ピンクのカップ咲き)は、初夏から夏への一期咲きでしたが、1980年代に返り咲きする種を次々に生み出すようになり、チェルシーフラワーショーで連続して金賞を獲得するようになって人気が定着しました。
同氏が生み出したバラは230種以上と言われています。本人はあまり、どのバラが特に好きということは言わないようにされていたようです。それに、各種報道によれば、亡くなる寸前まで、より耐病性があり花付きが良いバラを追い求め続けていたようです。
それでも、愛娘で宿根草ナーサリーを経営するClaire Austinの名をとった白バラ、孫娘の名をつけたピンクのOlivia Rose Ausitnあたりは気に入っていたらしいとデイリーメール(2018年12月19日付)が報じてます。また、生前に取材されたガーディアン紙(2018年6月16日付)では、アプリコットの‘The Lady Gardener’,ピンクの ‘The Ancient Mariner’ 、ソフトピンクの ‘Queen of Sweden’を最も花付きが良く耐病性があると評価しています。
この記事は、なかなか面白いので、よろしかったらどうぞ。
以下は我が家の薔薇の写真です。デジカメ以前の時期に育てたバラには廃番になってしまったものが多くてご紹介できないのが残念です。
まだまだ、たくさんありますが・・多分次回咲いたときにでも。たくさんのきれいな花を楽しませていただきました。
心からThank you!