風邪気味なのにローマに行くため飛行機に乗った結果、往復の着陸時に、生まれて初めてといっていいほど不愉快な痛みと金属音が耳を襲いました。この音、なんと表現したらいいのか、金属をこするような音なのです。耳の中に金属がある訳ではないのに。
これは、耳の中と外気圧の違いから起こされたもののようです。機内の気圧は、上空では地上より低く着陸するときに元の気圧に急速に戻ります。耳の外側の気圧も上がりますが内側の気圧は低いままなので、鼻から耳につながる耳管を開けて調整することになります。健康であれば、つばを飲み込むと耳管が開くのですが、風邪などによりそれがふさがっていると調節できず、気圧の差から痛みを起こし、最悪の場合、航空中耳炎になってしまうようです。
航空中耳炎に関する説明は、ロンドンの日本クラブ診療所の林先生が大変丁寧に説明してくださっていますので、もし、ご関心があれば以下の資料をご覧ください。上記の画像もこの資料から拝借しました。
http://www.nipponclub.co.uk/clinic/information/pdf/nipponclub201802.pdf
どうやら私、行きの段階で両耳がおかしくなってしまったようで、特に右側は、到着日は終日、聞こえが回復しませんでした。なんか、耳の中に水のようなものが染み出てきているような不気味な感じがあり、鼻をかむたびに両耳に金属音や摩擦音がしていたのです。
出発前から風邪気味だったものの、「いつものように鼻をかめば治るかな」と、考えずに搭乗したのが甘かったというわけです。水を飲んだり、鼻をかんだり、耳抜きをしてみましたが、全然効果なし。いや痛みもさることながら、いきなり襲ってきた金属音にびっくりしました。
で、すっかり帰りの便が怖くなり、あれこれネットで検索したところ、耳栓が有効な様子。そこで、ローマの薬局で耳栓を買おうと探したのですが、ローマ(空港も含む)で買えた耳栓はこれだけでした。タッピというみたい。
名前は可愛いけど、気圧を防ぐにはかなり頼りない。中身は3Mのものです。ただの過剰包装ですね。
それから、飴、ガム、ゼリー、飲料水を買い込んで、鼻詰まり用噴霧薬も用意して、ティッシュペーパー持参で搭乗しました。
まず、耳栓は予想通り効果なし。密着度でいえば、カナルタイプのイヤホンの方がましなので、そちらに切替。次にガムを一生懸命噛んでみましたが、ガムというのは意外と唾液が出ません。これもダメ。同様にゼリーも甘いばかりでダメ。というわけで、鼻の通りをよくする薬を噴霧しては鼻をかみ、水を飲むというのを繰り返しつつ、飴をしゃぶって・・
襲い掛かる金属音に耐えつつ、悪化する痛みに耐えること40分くらい・・でようやく到着しました。
うー右耳は完全に音が聞こえず、左耳も痛かったのですが、とりあえず生還しました。やれやれ・・耳の聞こえは翌日昼頃にだいたい回復しました。
医者に行きたかったのですが、12月22日土曜日ではね・・喘息っぽいし。ちょっと様子をみましょう。
しかし、まだこの先、何度飛行機に乗るかわかりません。今回の反省に基づき、きちんと効き目のある耳栓を今のうちに調達しようと思って検索をはじめました。日本で評価の高いのはサイレンシアとイヤープレーンですね。ふむふむ。
サイレンシアという製品はスイスに本社があるDKSHの製品です。DKSHというのはスイス人が明治初めの日本で設立した、貿易会社(シイベルヘグナー)が発展した巨大企業です。この製品は米国かスウェーデンで製造されている模様。
気圧用は2種類ですね。
http://silencia.jp/product/flight.html
イヤープレーンというのは米国製のようです。Cirrus Healthcareというのが製造元とありますね。
http://westend1.sakura.ne.jp/product/ear_plugs/earplanes/index.html
さてさて、軽いので日本で買って送ってもらうという手もありますが、どちらも外国製品らしいので英国で探してみましょう。
イヤープレーンは簡単にみつかりました。日本と違って女子供用スモールサイズはなく、子供用、大人用という2段階のようです。価格は日本と同じくらい。
このほかにオランダ、フランスのメーカーのものもありました。
こちらはフランス製
https://www.quies.com/product/earplanes-earplugs-air-travel/
こちらはオランダ製
こちらはドイツ製でちょっと高い
https://www.auritech.co.uk/universal-fit-earplugs/travel.html
迷うところです。それ以上に本当に耳栓だけでいけるのか・・だって、最初にお見せしたタッピは全く効果なく、Sサイズのイヤホンをぐっと差し込んでいても痛かったんですから。
それより閉じた耳管を開けるよう、「耳抜き」補助具のようなものはないのかな?と思って検索してみたら、ありました。「オトヴェント」という製品です。
http://www.meilleur.co.jp/otovent/pdf/otovent_aero.pdf
これは航空中耳炎に良いと出ていますよ。
しかも、こちらは飴耳の子供が多いので、耳管が開きにくい子が多くてこの製品は普及しているようです。Ebay UKで簡単に買えます。
というわけで、次回は「耳栓、オトヴェント、飴、ティッシュ、水、鼻スプレー」の6点で武装して搭乗することにします。結果はまた報告しますね(飛行機の旅はしばらく先になりそうですが)