日本には「赤い羽根の募金活動」がありますが、英国でも毎年、10月25日から第1次世界大戦の終戦協定が締結された記念日(リメンバランスデーと呼ばれます)である11月11日にかけて、「赤いポピーの募金活動 Poppy appeal」が行われます。
赤いポピーは第一次世界大戦の激戦地だったフランス北部の平野などに咲き乱れたことから、戦没者を象徴する花となり、集められた募金は英国軍の傷痍軍人や遺族などのために使われているそうです。
赤いポピーのバッジは、宝石をちりばめたような七宝のようなものから、街頭で募金すると渡されるプラスチックや紙製のものなど多種多様ですが、多くの人が襟元や胸元につけます。
ポピーと戦争の話は「英国ニュースダイジェスト」の記事が詳しいので、ご関心がある方は次の記事をご参照ください。
http://www.news-digest.co.uk/news/news/in-depth/8061-remembrance-sunday.html
私も、駅などで呼びかけられると、ついついバッジを買ってしまうのですが、よく考えると日本人の私がこの募金に協力すべきなのか・・ちょっと複雑な気持ちになります。
英国は、第1次、第2次世界大戦で多くの戦死者を出しました。そのため、どこの町に行っても戦没者追悼碑があり、また大企業のビルには戦没者の名前を刻んだパネルなどが設置されています。そこに供えられているのが赤いポピーの花輪です。
もともとこのポピーの活動はフランスの女性が始めたそうで、当初は布でポピーを作っていたそうです。それと関連があるのかはわかりませんが、2016年のチェルシーフラワーショウでは、会場脇のチェルシー王立病院(これは退役軍人の隠遁所です)の正面に手編みのポピー30万個がしきつめられ、圧巻でした。(写真参照)。
今年のリメンバランスデー(11月11日)の夜は、第一次世界大戦終結100周年のため、平和を祈って英国各地で焚火などを炊くお祭りが行われるそうです。
もともと英国では11月5日にガイ・フォークス・ナイトという花火を打ち上げるお祭りがあるのですが、今年は2週連続であちこちで花火が打ち上げられることになるでしょう。
ちょうどその前の週末に冬時間に入り、毎年11月は日照時間も少なく、1年で最も陰鬱な時期なので、こういうお祭りが必要なのかもしれません。
といっても、日本の夏の花火と違い、個人が皆、好き勝手に庭や公園などで打ち上げるので、きれいというより音ばかりが聞こえてきてうるさく、気になって見に行くととても寒い思いをします。