英国の庭から

欧州調査歴25年のリサーチャー兼駐在員妻です。英国在住歴は通算10年。庭仕事のかたわら、言いたい放題つぶやきます。

95%は合意済み(ブレグジット その4)

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先週のEU首脳会議で、交渉が不調に終わったことで、EU離脱派、残留派双方から不満の声が高まっています。先週土曜日(10月20日)には、ロンドン市中心部から国会議事堂に向けて、EU離脱交渉合意後に最終国民投票を行うことを要求するデモ行進が行われ、主催者や警察の予想を超える70万人が参加したそうです。

 

最終国民投票は「People’s Vote(人々の投票)」と呼ばれ、参加者の様子がガーディアン紙(10月21日付)に出ています。(上記の写真もガーディアン紙10月20日記事に掲載されていたものです)

 https://www.theguardian.com/politics/gallery/2018/oct/20/peoples-vote-march-brexit-in-pictures

 

参加者の中には若者や子供が多く含まれており、「自分たちが投票できなかった国民投票の結果、損をするのは自分たちだ」と不満を訴えているのが印象的です。

 

2016年の国民投票では投票行動に世代間格差が大きくみられ、離脱に多く投票したのは、世界大戦勝利の栄光が忘れられない中・高齢者層が中心であり、グローバル化を肌で感じる若年層の多くが残留を支持しました。

 

世代間の格差は大きく、家庭内論争が多発したという話も当時、多く報じられていました。16年に選挙権を持たなかった若者がすでに160万人も新たに選挙権を獲得しています。もし、来年、最終国民投票が実現したら、もしかしたら、残留派が勝つかもしれません

 

週明けの新聞をみると、「メイ首相には、もはや策はない」と、同首相に対する風当たりが極めて強いです。しかし同首相は「交渉の95%は既に合意済みだ」と述べ、強気の姿勢を崩していません。とはいえ、残りの5%が合意できなければ、全てがご破算になりますから予断は許されませんが。

 

政府は国民にノーディール対策のガイダンス書を次々に発表しており、今日(10月22日)も「ノーディールによるEU離脱に向けたパートナーシップ」と称する分厚いガイドブックを発表しました。輸出入を行うすべての企業に対するガイドブックです。

 

https://www.gov.uk/government/publications/partnership-pack-preparing-for-a-no-deal-eu-exit

中をみると、興味深いことに、↓以下のように書いてあります。

 

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つまり、「きっと交渉は妥結できると政府は考えているから、当面は行動しなくていいよ」という意味ですね。(やっぱり強気の政府です)

 

これが書かれているページはこちら↓

https://www.gov.uk/government/publications/partnership-pack-preparing-for-a-no-deal-eu-exit/preparing-for-a-no-deal-eu-exit-step-by-step-guide-to-exporting