英国の庭から~海外生活ブログです

オランダで還暦を迎えた駐妻。英国での5年弱、2度目の駐在生活を終え、オランダ生活も3年を過ぎてしまいました。けたところでロックダウン入り。できる範囲で何をしようかと模索中。

南仏コートダジュールのロスチャイルド邸(その2 庭編)

8月中旬に南仏コートダジュールに行きました。訪問先の中で最も華やかだったロスチャイルド一族の館、ヴィラ&ジャルダン エフルッシ・ド・ロチルド邸について邸宅と庭の2回に分けてご報告します。今回は庭編。南仏有数の名園の様子をお楽しみください。

 

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上空から見た邸宅の風景 Wikimedia Commonsより

客船をイメージした敷地に9つの庭

前回、この敷地を客船「イル・ド・フランス」に、邸宅を艦橋に見立てて建設したと書きましたが、船の形の敷地には全部で9つの様式の庭園があります。

9つの庭とは1.フランス風、2.セーブル風、3.バラ園、4.プロバンス風、5.石の庭、6.スペイン風、7.フィレンツェ風、8.和風、9.エキゾチック(あるいはメキシコ風)です。

6番以降は、邸宅建設を依頼したベアトリス・ド・エフルッシ・ロチルド男爵夫人の生前にはなく、1933年に邸宅がフランス学士院の芸術アカデミーに寄贈されたことから、ベアトリスが亡くなったのと同じ1934年に景観建築家のルイ・マルシャンに委託され造成されたそうです。

広大なフランス風庭園

フランス風庭園は、建物の南に左右対称にまっすぐシンボルとなる「愛の神殿」に向けて作られています。神殿には女神の像が置かれており、神殿と邸宅を結ぶように四角い池が作られ、噴水が設けられ、水連が浮かんでいます。植栽は幾何学模様を描いていて、フォーマルな感じの庭です。

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フランス庭園。左は館の2階バルコニーから、右は神殿からの風景

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フランス庭園と神殿の女神像

神殿のあたりが、この敷地では最も高いところで、そこから南に向かって下りの斜面となります。

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地元の植物が植えられたプロバンス風庭園

東側の斜面はプロバンス風庭園として、オリーブ、松、ピスタチオ、ローズマリー、ラベンダーなどが植えこまれています。

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By Daderot Wikimedia Commons

涼し気なスペイン風庭園と西側の借景を活かしたフィレンツェ風庭園

スペイン風庭園は、アルハンブラ宮殿の庭のように、柱と浅い水路で装飾されています。また、これはスペイン風なのか、それともここまでがフィレンツェ風なのかわかりませんが、グロット(洞窟)も作られていました。写真に撮りきれなかったのですが、水に映った木漏れ日が揺れ動く様子がとても素敵でした。

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まだ少しバラが残っていたバラ園とエキゾチックなサボテン園 

バラ園は、花の盛りを過ぎていましたが、まだいくつか花が残っていました。オールドローズとモダンローズの両方が植え付けられていました。フェリシアというバラはまだ咲いていました、バラの最盛期にはバラとプラントのフェアも毎年開催されているそうです。

サボテン類はもともとメキシコ風庭園という名前をつけられたように、中南米産が多く植えられているようです。どのコーナーにいっても壮大な借景が広がっていて、それがこの庭園の魅力です。

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和風庭園には茎の黒い竹

和風庭園も造られており、実はこの庭園でもかなり自慢の部分のようです。しかし、実は肝心の部分を見逃して通り過ぎてしまったみたいで、中心部分はWikimediaからの写真です。

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By Daderot Wikimedia Commons

私が歩いた通路の脇には、茎の黒くて細い、ちょっと変わった竹が植えられていました。

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ラビダリーガーデンからセーブルガーデンへ

ラピダリーガーデンは石像の庭という意味のようです。楠など大きな木が植えられており、その足元に宗教建築物によく使われる怪獣ガーゴイルが置かれています。春にはツバキ、ツツジ、シャクナゲが咲いているらしいのですが、現在はフクシアやアジサイの時期のようでした。

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By wikimedia commons

このあと、通路を進むとセーブルガーデンなのですが、どうやらレストランの屋外テラス部分として使われていた部分だったようです。暑くて屋内で昼食にしたので、見そびれてしまいました。セーブル焼きの壺に植物が植えられているのかと、画像を探したのですがどこにもなく、どんな庭かわかりません。

カフェテリアで昼食

サンルームだった場所を利用してなのか、後から付け足したのかわかりませんが、眺望のよいカフェテリアが併設されています。価格はサラダだけで20ユーロぐらい。

フランスでランチが食べられるカフェテリアにいくと、ステーキとフライドポテトといった定番ランチのほかに、たいていサラダだけというメニューがあります。頼むと、バケツ一杯ぐらいの野菜にレモン汁とオリーブ油を主体としたドレッシングがかかって出てくることが多いのですが、ここもそんな感じ。

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レストランからも海が見えます

どうもこういう野菜だけバケツ一杯という料理は、大体途中で飽きてしまいます。今回も半分くらい残してしまいました。サラダはニース風など何種類かあります。サラダ以外のメニューもあります。味はまあまあという感じでした。

駐車場を探す手間などがなく、雰囲気も良いので、1つの選択肢としてご紹介します。

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レストランの食事メニュー

エフルッシ・ド・ロチルド邸への行き方と開館時間

ロチルド邸への行き方ですが、車が便利です。Googleマップで、The Villa Ephrussi de Rothschild と入れると経路が出てきます。ニースの町から30分弱です。道路RD6098を通り、敷地内に無料駐車場がありますが、せいぜい30台程度ですので、早めに行かれると良いと思います。

鉄道とバスを使っていくこともできます。ニース市内から1時間弱で行かれるようです。鉄道駅のBeaulieu-sur-Mer station からバス line 81に乗り、"Plage de Passable" という停留所から徒歩6分だそうです。

住所:06230 Saint-Jean-Cap-Ferrat

GPS coordinates: latitude 43°6945937 - longitude 7°3292327.
Tél : 04 93 01 33 09
Fax : 04 93 01 31 10
Email : message@villa-ephrussi.com

開館時間:年中無休で朝10時~18時。

 ただし、7,8月は19時まで。
 11月~1月は平日14時~18時 週末は10時~18時
 レストランは11月~1月は週末のみ営業。